そして、野ばらの咲く里川でその石を洗ったのです。石は水に濡れると、空の色よりももっと深い青色をしていました。
青い石は勇ちゃんと一緒に、暗くて長いトンネルを汽車で通り、知らない遠い町へやってきました。そして、知らない町の空の下で、じっと太陽を見上げてきました。石は言葉を話しませんが、どれほど心細かったことでしょう。勇ちゃんがこの大事な石を友達に見せると、良ちゃんも徳ちゃんも善ちゃんも「いい石だなあ」と褒めてくれたのでした。それから勇ちゃんは石を机の引き出しに入れ、時々取り出しては眺めていました。この石を見ると、いつも田舎のおばあさんの顔や、垣根、白い野ばらが咲く里川の景色がありありと思い浮かんだのです。
しかし、青い石よりもクロの命のほうが、ずっとずっと大切でした。
勇ちゃんは石と交換して手に入れたメダルを、クロの首輪につけてやりました。そのおかげか、あるいはクロが賢くて用心深かったからか、他の野犬が次々と捕まっていく中で、クロだけは無事でした。
「あんなに勇治が犬をかわいがっているのだから、いっそ本物の鑑札(かんさつ)を受けてやろうか」
ある日、クロが嬉しそうに勇ちゃんに飛びついている様子を見て、お父さんはそう言ったのでした。
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