初級翻訳・小公女 第21話

小公女

天井が斜めになっているのも面白いでしょう? こっちの方は低くて、頭がぶつかりそうね。私、夜が明けると床の上に座って、窓から空を見上げるのよ。すると、窓はまるで四角い光のパッチワークみたいに見えるの。お天気のいい日には、小さな薔薇色の雲がふわふわ浮かんでいて、手を伸ばしたら届きそうなのよ。雨の日には、雨だれの音が何か素敵なことを話しかけてくれているみたい。星の輝く夜には、窓という枠の中にいくつの星が光っているか数えてみるの。あんな小さな場所なのに、たくさんの星があるのよ。それから、あの小さなストーブだって、磨いて火を入れれば素敵になると思わない? ねえ、そう考えてみると、ここだってずいぶんいい部屋でしょう?」
そう言われると、ロッティにもセーラの言う通りの景色が見えるような気がしました。セーラが描く世界なら、何でも本当のことだと信じ込んでしまうロッティでした。
セーラはさらに言葉を続けました。
「床には厚くて柔らかい、青いインド絨毯を敷くとしましょう。それから、あそこの隅にはクッションをたくさん乗せた長椅子を置くの。椅子から手を伸ばせば届くところに本棚を置いて、ストーブの前には毛皮を敷くわ。壁は素敵な壁掛けや額縁で飾ってしまうの。小さい部屋に合う、小さくて綺麗なものがあるはずよ。薔薇色のランプも欲しいわね。真ん中にはお茶道具を乗せたテーブルを置いて、丸い銅の茶釜が炉棚の上でちんちんと煮立っているの。ベッドもすっかり変えてしまわなくちゃ。それから、小雀たちを窓から部屋の中へ招き入れて、すっかり人懐っこくしてしまうの」
「セーラちゃん、私もここに来たいわ」
ロッティを送り出したあと、セーラには部屋の惨めさが、前よりもひどく感じられました。
セーラはしばらく足台の上に座って、両手で顔を覆っていました。
「寂しい場所だわ。世の中で一番寂しい場所のように思えることさえある」
ふと、セーラは「ことっ」という微かな音を聞きました。
見ると、大きなネズミが一匹、後ろ足で立って、物珍しそうに鼻を動かしていました。ロッティが持ってきたパンくずがそこら中に散らばっていたので、ネズミはその匂いに惹かれて出てきたようです。
ネズミはまるで、灰色の頬ひげをはやした小人のようでした。何かを尋ねるようにセーラをじっと見つめています。その目つきが妙におどおどしていたので、セーラはふとこんなことを考えました。
「ネズミはきっと辛いに違いないわ。みんなに嫌われていて……」「私だって、みんなに嫌われて、罠を仕掛けられたりしたらたまらないわ。雀は、ネズミとは大違いだもの。でもネズミだって、好きでネズミになったわけじゃないのよね。雀として生まれたかったなんて、誰かに聞いてもらえるはずもないものね」

ネズミは、最初はセーラを怖がっているようでしたが、雀のような心を持っているのか、さっきの雀たちと同じように、だんだんとパンくずの方へ近づいてきました。

「おいで。私は罠なんかじゃないから。食べてもいいのよ、可哀そうに。バスティユの監獄の囚人たちは、ネズミと仲良しになったっていうから、私もあなたと仲良くなろうかしら」

どうして動物に人間の言葉がわかるのか、その理由はわかりません。けれど、動物に言葉が通じるというのは本当のことです。もしかすると世の中には、言葉ではない言葉があって、どんなものにでもそれが伝わるのかもしれません。あるいは、世の中のあらゆるものには、目に見えない魂があって、声も立てずに話し合うことができるのかもしれません。

それはともかく、セーラがそう言った瞬間、ネズミはもう安心だと思ったようです。彼はそろそろとパンくずの方へ歩み寄り、食べ始めました。食べながら、さっきの雀と同じように、時々セーラの方を見て、「どうもすみません」とでも言いたげな目つきをしました。セーラは、それにひどく心を動かされました。

それから一週間ほどたったある晩、アーメンガードがそっと屋根裏部屋へ忍び上がってきて、戸を叩くと、室内は妙にひっそりしていました。セーラはもう寝てしまったのかしら、と不思議に思っていると、ふいにセーラの低い笑い声が聞こえてきました。

「ほら、メルキセデク、それを持って帰っておいで。奥さんのところへ帰るのよ」

そう言うと、すぐにセーラは戸を開けました。

「セーラさん、誰? 誰とお話ししてたの?」
「お話ししてもいいけど、あなたびっくりして、声を上げたりしちゃダメよ」

アーメンガードは、その場で危うく声を上げそうになりました。見渡したところ、室内には誰もいないので、セーラはお化けと話していたのかとアーメンガードは思ったのです。

「何か、怖いお話なの?」
「怖がる人もいるわね。私だって最初は怖かったけど、もう何でもないわ」
「お化け?」
「嫌だわ。……ネズミよ」

アーメンガードは一飛びに飛びのいて、ベッドの真ん中に座り込みました。声は出しませんでしたが、怖さのあまり息を弾ませていました。

「ネズミ? ネズミですって?」
「慣れているから怖くないのよ。私が呼べば出てくるくらいよ。あなたさえ怖くなければ、呼んでみるわ」

アーメンガードは、最初は怯えてベッドの上で足を縮めてばかりいましたが、セーラが落ち着いた顔で、メルキセデクが初めて出てきた時の話をするのを聞いていると、だんだんネズミを見てみたくなりました。彼女はベッドの端に乗り出してきて、セーラが壁の腰板にある抜け穴のそばに跪くのをじっと見ていました。

「そ、そのネズミ、いきなり駆け出してきて、ベッドの上に乗ってきたりしない?」
「大丈夫。私たちと同じくらいお行儀がいいのよ。まるで人間みたいなんだから。さあ、見ていて」

セーラは聞こえるか聞こえないかくらいの音量で、口笛を吹きました。何か呪文を唱えるように、四、五回吹きました。すると、それを聞きつけて、灰色の頬ひげを生やしたネズミが、目をきらきらさせて穴から顔を出しました。セーラがパンくずを投げると、メルキセデクは静かに出てきて、それを食べました。彼は少し大きめのパンくずをくわえると、忙しそうに帰っていきました。

「ねえ、あれは奥さんや子供たちに持って帰るのよ。偉いでしょう。自分は小さいのしか食べないのよ。帰っていくと、家族のみんなが喜んで、ちゅうちゅう大騒ぎなの。ちゅうちゅうにも三通りあるのよ。子供のちゅうちゅうと、メルキセデク夫人のちゅうちゅうと、それからメルキセデク君のちゅうちゅうとね」

アーメンガードは笑い出しました。

「セーラさんは変わってるわね。でも、いい人ね」
「私、変わってるでしょ。でも、いい人になりたいと思っているのよ」

セーラは小さな手で顔をこすりました。そして、優しく、少し寂しげな表情になりました。

「パパもよく私を笑ったものだわ。でも、私笑われても嬉しかった。私は変人だけど、私の言う出まかせの話は面白いって、パパは言ってくれたわ。私、お話を作らずにはいられないの。お話を作らずには生きていけないのよ」

セーラは少し口をつぐんで、部屋の中を見回しました。

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