お人形のメリーさん、うさぎのピョンコさん、いぬのジョンくん、くまのトムくん、へいたいさんのジムくん、それにキューピーさん。
みんなで相談して、タローさんとハルコさんに「わたしたちも旅行に連れて行ってください!」とお願いしました。
すると、「それじゃあ、行こう!」ということになり、大急ぎで支度をして、自動車に乗りました。みんなは大喜びです。
銀座を通ると、くまのトムくんとメリーさんが、「ここはぼく知ってる!」「わたしも知ってるわ!」と大きな声を出しました。トムもメリーさんも、もとは銀座のお店で買ってもらったものなのです。
停車場に着きました。切符を買いましょう。
「ピー……」と笛を鳴らして、白いけむりを出したり、黒いけむりをはいたり。鉄橋を渡って、トンネルを抜けて、またトンネルに入って、どんどん走っていきます。
電信柱や、畑や、森や、田舎家や、景色がどんどん後ろへ流れていきます。楽しい、楽しい。
汽車を降りると、今度は港行きの電車に乗りました。海が見えると、みんなは大喜びです。くまのトムと、いぬのジョンはあまりによろこんで、飛んだり跳ねたりしたので、タローさんに叱られました。
お船に乗りました。みんなは初めて海を見たので、その広さにびっくりしました。風が帆をふくらませて、船は波を立てて走ります。
トムくんがあまりに騒ぐので、またタローさんに叱られました。でも、すぐに嬉しくてたまらないので、また騒ぎ出します。
とうとう、トムが大きな体で暴れすぎたので、船がひっくり返ってしまいました。
さあ、大変です! みんな「アプ……アプ……アプ……ブク……ブク……ブク……助けてくれ!」
トムくん、いまさら大変なことをしたと思っても、もう間に合いません。
やっと島へ泳ぎつきました。トムはみんなに謝りました。へいたいさんのジムは「鉄砲で撃つぞ!」と怒りました。
さあ、これからどうしておうちへ帰ろうか……と、みんなはシクシク泣き出しました。ジムはなんとか我慢していました。
タローさんは、もし途中で困ったことができたら……と、バスケットの中に伝書鳩を入れてきていたので、手紙をつけて放しました。
まもなく、「ブルル……」と勇ましい音を立てて、赤い飛行機が助けにやってきました。
「バンザイ! バンザイ!」
みんなはとっても喜びました。飛行機に乗って、海の上や、山の上や、森の上や、町の上を飛んで、練兵場へ降りました。
おうちから馬車がお迎えに来ていました。そこで馬車に乗って、おうちへ帰ってきました。お父さんもお母さんも、玄関のところで待っていてくれました。
「お父さん、お母さん、ただいま!」
タローさんとハルコさんも飛んでいきました。
「大きな声で、何を寝言を言っているの?」
お母さんに起こされて、初めて夢だったとわかりました。
(おわり)
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