下村 湖人

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下村 湖人

初級翻訳・次郎物語 第4話

次郎はここ二十日あまり、おねしょをすることもなく、お浜のそばで穏やかに過ごしていました。そして、実家での記憶もようやく薄れかけていたところでした。それなのに、今日は突然、お浜と一緒にいる時でさえ嫌がっていた方角へ、さほど親しくもない直吉に連...
下村 湖人

初級翻訳・次郎物語 第3話

お前さんこそ、子供が可愛くないんだろう!」「毎日毎日ぶらぶらして、一銭だって稼いでこないじゃないか」勘作はそっぽを向いて、黙り込んでしまいました。それまで、間の抜けた泣き声を出しながらも、二人の言い争いに耳をそばだてていた次郎は、どうやらお...
下村 湖人

初級翻訳・次郎物語 第2話

結局、お民の方が根負けして、自分からお浜の家へ出かけることになったのです。今度は、もちろんお猿の話なんて、どちらからも出ませんでした。それどころか、お民はこんなことを言って、お浜の機嫌をとったのです。「この子は八月十五夜の、ちょうど月の出の...
下村 湖人

初級翻訳・次郎物語 第1話

一 お猿さん「腹が立って、しょうがないよ」乳母のお浜は、台所の高い框(かまち)に腰を下ろしながら言いました。「本当にねえ。いくら気が強い方だとはいえ、奥様もあんまりだよ。まるで人の心なんてもの、踏みにじっているようなものだもの」竈(かまど)...
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