二十四の瞳

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二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第35話

仁太のその間髪を入れない言葉があまりにも突拍子もなかったため、係官が聞き流してくれたのだとしたら、思ったことをそのまま口にした仁太はなんと運がよかったのだろう。みんなの代わりに溜飲を下げるようなこの出来事は、ちょっとした珍事件として大石先生...
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初級翻訳・二十四の瞳 第34話

「母ちゃん、ぼくもう、さっきから迎えに来とったんやで」いつもなら自然と笑みがこぼれてくる、きれいに澄んだその声が、今日はちょっぴり悲しそうでした。ニコッと笑ってみせると、大吉はすぐに甘えるようにすり寄ってきて、「母ちゃん、なかなか戻らんから...
二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第33話

大きな関心をよせてほめたたえ、そこへつづくことを名誉とせねばならないのだ。なんのために竹一は勉強し、だれのために磯吉は商人になろうとしているのか。子どものころ下士官を志望した正は、軍艦と墓場をむすびつけて考えているだろうか。にこやかな表情の...
二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第32話

ひきこまれるような大きな声で、「あらっ、仁太さん!」 そして、あとからあとからバスから降りてくる顔に向かって、「あら、あら、あら、みんないるの、まあ」 仁太につづいて磯吉、竹一、正、吉次と、かつてあの岬の分校で学んだ少年たちはみんなそろって...
二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第31話

「これはね、お餞別(せんべつ)の、葉書と切手なの」 人からいただいた切手帳と葉書を、新しいタオルに添えて包んだものを磯吉に渡し、竹一にはノート二冊と鉛筆一ダースを合格のお祝いとして渡した。「薮入り(やぶいり)なんかでお休みがもらって戻ってき...
二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第30話

高等科の列の中から、正や吉次や、小ツルや早苗のうるんだ瞳が、一心に自分を見つめているのに気づいたのは、壇をおりてからのことだった。お昼休みに、別棟にある早苗たちの教室のほうへ行くと、いち早く小ツルが見つけて走ってきた。「せんせ、どうしてやめ...
二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第29話

「下士官になればな、曹長までは平気でスイスイ出世できるんだって。おまけに下士官はちゃんとお給料ももらえるんだぞ」 正には、そこに堂々とした出世の道が見えているようでした。 すると竹一(たけいち)も、負けじと声を張り上げて言いました。「ぼくは...
二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第28話

私は大きくなったらお母さんに孝行つくしたいと思っています。 これなのだと、大石先生はさっした。 まるで女に生まれたことをじぶんの責任ででもあるように考えているコトエ。 それがコトエを、何ごとにもえんりょぶかくさせているのだ。 だれがそう思わ...
二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第27話

だから私、この山石早苗という子が、教壇に立ってちゃんとものが言えるかしらって、心配なのよ」「自分のこと忘れて。久子だって昔は人の前じゃろくに唱歌もうたえなかったじゃないか。それでもちゃんと、一人前になったもの」「ふーん。そうだったわね。いま...
二十四の瞳

初級翻訳・二十四の瞳 第26話

痛かったり、つまったりしたのは、お母さんの財布の口のほうで、早苗のために売りにいった珊瑚の玉のついたかんざしは思う値で売れず、洋服を買うことができなかったのだ。人の足もとをみてからにと、早苗の母は、その古手屋(古物商)のことをいつまでもおこ...
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