牧野 信一

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熱い砂の上

初級翻訳・熱い砂の上 第1話

一 走り出した。とても歩いてなんかいられなかったから――砂がものすごく熱く焦げていて、誰にも到底はだしで我慢できるもんじゃなかったんだ。「あつい、あつい!」「ものすごい暑さだぞ!」「競争だ! 競争! 波打ちぎわまで――」 三人の若い男たちと...
四郎と口笛

初級翻訳・四郎と口笛 第2話

――四郎は、息の強さをだんだんと強めていきました。そうしているうちに、知らぬ間に口笛が鳴ってしまいました。トンボは驚いて飛び去ってしまいました。四郎はがっかりしたような気もしましたが、同時にわけもなくおかしくなりました。――四郎の心は、いつ...
四郎と口笛

初級翻訳・四郎と口笛 第1話

一 四郎は、ついこの間から、いつの間にか自然と口笛が吹けるようになっていた。 どうして吹けるようになったのか? 自分でもよくわからない。「またお前は口笛を吹いている。勉強しながら口笛なんて吹くものではありません」と、四郎は母から叱られた。 ...
周一と空気銃とハーモニカ

初級翻訳・周一と空気銃とハーモニカ 第2話

これからだよ」と健ちゃんは憤慨した。 しかし、周一が「嫌だ」と言ったのは、そういう理由ではなかった。自分がもう、こんなことをしているのが嫌になったのだった。「でも、僕はもう嫌なんだ。もう家に帰るよ」と周一はきっぱりと言った。 健ちゃんはすっ...
周一と空気銃とハーモニカ

初級翻訳・周一と空気銃とハーモニカ 第1話

一 周一は、今年のお年玉で叔父さんから空気銃をプレゼントしてもらった。去年からずっと欲しがっていたものだったけれど、「危ないからダメだ、ダメだ」と言われて、お父さんからもお母さんからも許してもらえなかった。その代わり、クリスマスの日に母さん...
不思議な船

初級翻訳・不思議な船 第1話

あ、そうか、今日は土曜日だったね。みんなそろってよく来てくれたね、さあ遠慮しないでずっとこっちへおいで。なんだ、お話? またかい。よくお話にあきないねえ。いいよ、してあげるよ。面白いお話をね。静かにして、よく聞いてるんだよ。むかしむかし、い...
お父さんのお寝坊

初級翻訳・お父さんのお寝坊 第2話

あとでお母さんからお願いして、お父さんにどこかへ連れて行ってもらいましょうね」お母さんがなだめるような調子でそう言うと、美津子はなんと返事をしていいのか分からなくなってしまい――そうこうしているうちに、涙がぽろぽろとほほを伝り落ちてきたので...
お父さんのお寝坊

初級翻訳・お父さんのお寝坊 第1話

「いくら日曜日の朝だからって、もうお布団からお起こししなくちゃいけませんよ。もう十時じゃありませんか。美津子さん、お前お二階に行って、お父さんを起こしてきておくれよ」 お母さんにそう言われると、美津子はすぐに立ちあがりました。ほかの用事だと...
「風博士」

初級翻訳・「風博士」 第1話

世の中のすました暗い世界から、ぶくぶくと発酵して生まれてきたような、ものすごーいおしゃべりな小説です。これを読んで怒ろうとしても怒れるわけがありませんし、笑うにはちょっとバカバカしすぎて、「いったいどうしたものかなあ」と首をかしげさせられな...
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