もしこれらの問題に興味をもってくれたお友達がいたら、ぜひ直接ぼくに尋ねてくださいね。
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いま、ここでお話ししたデンマークのお話は、わたしたちにいったい何を教えてくれるでしょうか?
まず第一に、戦争に負けたからといって、それがかならずしも人生の終わりや不幸になるわけではないということを教えてくれます。
国はたとえ戦争に負けたって、それで本当に滅びてしまうわけではありません。
むしろ、歴史を振り返ってみると、戦争に勝ったくせにそのあと調子にのって滅びてしまった国なんて、じつはけっして少なくないのですから。国の栄えたり滅びたりすることは、戦争で勝った負けただけで決まるわけではありません。そこに暮らす人ふだんの心がけや、日々のトレーニングにかかっているのです。
すばらしい信仰の心があり、すばらしい道徳心があり、すばらしい精神があれば、国はたとえ戦争に負けたって衰えたりはしません。
いや、それどころか、まったく正反対のことが本当の事実なのです。
ガチガチに強い精神があれば、戦争での敗北はむしろ最高の刺激となって、不幸のどん底にいた人たちを立ち上がらせる力になります。
デンマークは、まさにその最高のいい例なのです。
二つめには、自然がもっている終わりのないすごいパワーを見せてくれます。
富というものは、広い大陸にだってあるし、小さな島々にもあります。
肥えた豊かな土地にもあるし、何もない砂漠にもあるのです。
大陸をたくさん持っている王様が、かならずしも一番のお金持ちとは限りません。
小さな島を持っている人が、かならずしも貧乏人とは限らないのです。
この自然の力を上手に開発してあげれば、小さな島だって、大陸に負けないくらいのすごい生産力を生み出すことができるのです。
だから、国の大きさが小さいということは、決して悲しむようなことではありません。
これに対して、国が大きいからといって、決して自慢することにもならないのです。
富とは、うまく役に立つように形を変えたエネルギー(力)のことです。
そして、そのエネルギーは、おひさまの光の中にもあります。
海をゆれる大きな波の中にもあります。
ビュービュー吹いてくる風の中にもあります。
ドカンと噴火する火山の中にもあります。
もしこれらをうまく利用することができたなら、これらはぜんぶ、すばらしい富の源(みなもと)になるのです。
イギリスみたいに、世界の陸の六分の一を自分のものにしなきゃいけない、なんていう必要はまったくありません。
デンマークくらいの大きさで十分なのです。
そう、それよりももっと小さな国だって十分なのです。
外へ外へと領地を広げようとするよりも、自分の国の中をしっかりと開発するべきなのです。
三つめには、神様を信じる心(信仰)の本当のすごいパワーを見せてくれます。
国の本当の実力とは、軍隊のことではありません。軍艦のことでもありません。
それから、お金のことでもなければ、銀の塊でもありません。それは「信仰」なのです。
このことに関しては、有名なマハン大佐もまだ本当の真理を語っていませんし、アダム・スミスやJ・S・ミルといった偉い学者たちもまだ本当の真理を語っていません。
このことについて本当の真理を語っているのは、やっぱりいつの時代も古い『聖書』なのです。
「もし、からしの種みたいな小さな信仰があったなら、この山に向かって『ここからあっちへ動け』と命令したとしても、山はかならず動くでしょう。そして、あなたたちにとってできないことは何一つなくなるのです」
と、イエス様はおっしゃいました(マタイによる福音書 第17章20節)。
また、
「すべて神様によって生まれたものは、この世に打ち勝つ。私たちにこの世に打ち勝たせてくれるものは、ほかならず私たちの『信仰』なのです」
と、聖ヨハネは言いました(ヨハネの第1の手紙 第5章第4節)。
この世に打ち勝つ力、そして大地を自分たちの手で征服する力は、やっぱり「信仰」なのです。
ユグノー党の人たちの熱い信仰は、そのたった一人の力と、一本のすき、そして樅の木の苗木をもって、デンマークという国を救い出したのでした。
たとえダルガス一人だけが強い信仰を持っていたとしても、デンマークの人たちみんなに信仰の心がなかったとしたら、彼のすごいお仕事だって何の役にも立たずに終わっていたはずです。
この素晴らしい人物がいて、この素晴らしい国民がいて、フランスから伝わってきた自由な信仰と、デンマークの土地から自然に育った自由な信仰とが合わさることで、このものすごい大事業が成し遂げられたのです。
「宗教や信仰なんて、経済とは何の関係もないよ」と言い張る人は、いったい誰なのでしょうか?
「宗教なんて、詩人とかおバカさんたちにはお似合いかもしれないけれど、現実の世界で働く実業家や頭のいい人たちにはちっとも必要ないね」などと言う人は、歴史のことも、哲学のことも、経済のことも、本当は何もわかっていない人なのです。
国の中にこういう「頭はいいけれど中身が空っぽな賢い人たち」ばかりがいて、ダルガスのよう一見すると「賢くは見えないけれど本当はものすごく偉大な人(智き愚人)」が一人もいなかったとしたら――。
もしその国が、うっかり一歩間違えて戦争に負けるという不運な目にあってしまったとき、その国はその瞬間にたちまち滅びてしまうことでしょう。
国家にとって最大の危険とは、信仰の心をバカにして、何の役にも立たないものとして無視してしまうこと、これ以上のものはありません。
私が今日ここでみなさんにお話しした、デンマークとダルガスにまつわる出来事は、世の中のうわべしか見ない軽くてペラペラした経済学者たちを、大いにビシッと戒めるべきお話なのです。
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