初級翻訳・宇宙の迷子 第16話

宇宙の迷子

また、ジャンガラ星は、だいたい南アメリカのアマゾン川に面した空中に停止する予定であった。
ところがこの予定は、はずれてしまった。
ジャンガラ星は三日も早く地球の方へ吸いよせられ、ついには百メートルの最少距離を残すどころか、そのまま南太平洋の海面に接触してしまった。
そして接触するやたちまちものすごい爆発を起して、ジャンガラ星は煙とも灰ともつかぬ微粒子となって、空をおおってしまった。
それは地球全体の空をおおいつくし、太陽の光は色をうしなってしまったほどであった。
これは星と地球の海水との間のすごい摩擦力でそうなったものであろう。
ジャンガラ星は、こうして姿を変えた。
地球もめいわくな空中塵になやまされなければならなかった。
ある学者は、この空中塵が地球上に氷河時代を出現せしめるであろうし、そのために人類はみな死滅するであろうと予告したが、じっさいはそれほどのことはなかった。
しかし全世界は地上に達する太陽熱が減ったために、それから十年間というものは凶作がつづいた。
おそろしい影響であった。カロチ教授たちは、みんな全滅してしまって影も形も残っていない。
川上、山ノ井の二人の少年だけは、運よく命をとりとめることができた。
それは二人の少年が、ジャンガラ星が地球にぶつかる三時間前に、パラシュートを手作りしてジャンガラ星から脱出し、運よくオーストラリアに降り立つことができたからだった。
二人の少年は、その後すっかり元気になってから、めずらしいジャンガラ星での大冒険を話して、まわりのみんなをとても喜ばせた。
二人の少年は、そのうち新しい宇宙船を手に入れて、ふたたび宇宙の冒険に出かけると話している。
そして、まだぼくたちの知らない宇宙にくらしているすごい生物たちに会いに行って、今度こそ無事にこの地球へ案内するんだと、ものすごくやる気に燃えているのだ。

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