カリスフォード氏は安楽椅子に深く寄りかかり、ジャネットはその足元に座っていました。
ノラは足置きを見つけて腰を下ろし、ドナルド(ガイ・クラレンスのこと)は皮の敷物の飾りについている虎の頭にまたがっていました。
少年はかなり乱暴に、その虎の頭を揺らしていました。
「ドナルド、そんなに騒いじゃいけませんよ」と、ジャネットが言いました。
「病気の方を元気づけてあげようっていうときに、そんな金切り声を出すものじゃありませんよ」「カリスフォードおじさん、そんなに騒がしくないかしら」
病人は、彼女の肩を軽く叩いて言いました。
「いや、そんなことはない。騒いでくれた方が、考えごとを忘れていられるからいいのだよ」
「僕は、これから静かにするよ」と、ドナルドは言いました。「みんなで、ハツカネズミのようにおとなしくしようじゃないか」
「ハツカネズミが、そんなに大きな音を立てるものですか」
ドナルドはハンカチで手綱のようなものを作って、虎の頭の上で飛び跳ねました。
「ネズミがありったけ出てきたら、このくらいの音はするよ。千匹くらいいれば、ね」
「五万匹集まったって、そんな音はしないわ。一匹のネズミみたいに、おとなしくしていなきゃダメよ」
カリスフォード氏は笑って、また彼女の肩を叩きました。
「お父様は、もうすぐお着きになるのね。あの行方不明の娘さんの話をしてもいいかしら?」
「私は今、その話以外のことなど、とても考えられそうにないよ」
インドの紳士は、疲れた顔の額にシワを寄せました。
「私たちはね、その子のことが大好きなの。みんなでその子のことを、『妖精ではないプリンセス』って呼んでいるのよ」
「なぜ、そう呼ぶんだい?」
「こういうわけなの。あの子は、本当は妖精なんかじゃないけれど、見つかったときには、まるでおとぎ話の中のプリンセスみたいに、お金持ちになるんでしょう? 初めは『妖精の国のプリンセス』と言っていたんだけど、それじゃあしっくりこないから、『妖精ではないプリンセス』にしたの」
すると、ノラが言いました。
「あの、あの子のお父様がダイヤモンド鉱山のために、お金をすっかりお友達に預けてしまったって話は本当なの? そしてそのお友達は、お金をすっかり失くしてしまったと思って、自分は泥棒のようなものだと思い込んで逃げ出してしまったんですって?」
ジャネットは急いで言いました。
「でも、その方は、泥棒でも何でもなかったのよ」
インドの紳士は、すっとジャネットの手を取りました。
「まったく、その通りだよ」
「私、その方がお気の毒でならないの」と、ジャネットは言いました。「その方は、お金を失くすつもりなんてなかったのよ。そんなことになって、どんなに胸を痛めたでしょう。きっと、本当にお苦しみになったはずだわ」
すると、インドの紳士はジャネットの手をひしと握りしめて言いました。
「あなたは、何でもよくわかっているお嬢さんだね」
「姉さん、カリスフォードおじさんに、あの話をした?」と、ドナルドが大きな声で言いました。「あの『乞食ではない小さな女の子』の話をさ。あの子がいい着物を着ているって話した? きっとあの子も、今まで行方不明だったのを誰かに見つけ出されたんだよ」
「あら、馬車が来たわ」と、ジャネットが叫びました。「家の前で止まったわ。お父様のお帰りだわ!」
みんなは窓のところへ飛んでいきました。
「ああ、お父さんだ!」と、ドナルドが告げました。「でも、小さな女の子はいないよ」
三人はじっとしていられなくなり、先を争って玄関へ飛び出しました。お父様が帰ってくると、いつも子供たちはそうして迎え入れるのでした。三人が飛び跳ねたり、手を叩いたり、抱き上げられてキスをされたりしている気配が、部屋の中にいてもはっきりと感じられました。
カリスフォード氏は立ち上がりかけましたが、またどかりと椅子の中に身を落としました。
「ダメだ、私はなんて情けない人間なんだ」
カーマイケル氏の声が、戸口に近づいてきました。
「今はダメだよ。カリスフォードさんとお話を済ませてからにしてくれ。その間、ラム・ダスと遊んでいればいいだろう」
戸が開いて、カーマイケル氏が入ってきました。氏は前よりも血色がよく、生き生きとした顔をしていましたが、目には失望の色を湛えていました。病人の待ちかねたような目つきを見ると、氏はより一層、心配そうな表情になりました。
「どうだった?」と、カリスフォード氏が尋ねました。「ロシア人が引き取ったというその子は、どうだった?」
「その子は、我々の探している娘ではありませんでした。クルー大尉の娘よりはずっと年下でしてね。名前はエミリー・クルーなのです。私はその子と会って話をしてきました。ロシア人の家族は、詳しい事情を話してくれましたよ」
インドの紳士の失望といったらありませんでした。紳士は今まで握っていたカーマイケル氏の手を離して、だらりと自分の手を落としました。
「それじゃあ、また捜索をやり直さなければならないんだな。まあ、やり直すまでのことだ。さあ、そこに掛けたまえ」
カーマイケル氏は腰を下ろしました。彼は自分が健康で幸せなせいか、この不幸な病人が気の毒で、だんだんと好きになっていくのでした。この家の中に一人でも子供がいたら、少しは寂しさもまぎれるだろうに。
こうして一人の男が、一人の子供を不幸にしているという思いのため、絶え間なく悶えているとは――大屋敷の主人は、病人に元気をつけるように言いました。
「大丈夫、まだ見つけられますよ。」
「すぐまた捜索を始めねばならん。ぐずぐずしてはいられない。」カリスフォード氏はいらいらしてきました。
「君、何か新しい心当たりはないだろうか?――何かちょっとした心当たりでも。」
カーマイケル氏も落ち着かない様子で立ち上がり、考えながら部屋の中を歩き回りました。
「何かありそうでもありますな。どれだけの根拠があるかは、私にも判りませんが――というのも、ドーバーからここまでの汽車の中で、いろいろ考えているうち、ふと思いついたんですが。」
「どんなことです? あの娘が生きてるとすると、どこかにいるわけだ。」
「その通り、どこかにいるはずなのですよ。パリの学校という学校は、もう捜索の余地がありません。だから、今度はパリを切り上げて、ロンドンに移るんです。つまり、ロンドンに捜索の手を移すというのが、私の思いつきです。」
「ロンドンにも無数の学校がある。」カリスフォード氏はそう言ってから、ふと何かを思い出して、かすかに身を起こしました。
「そら、隣にだって一つあるじゃないか。」
「では、隣から始めることにしたらいかがです。近い所から始めるとすると、隣より近いところはないわけですからな。」
「その通りだ。それに隣には一人、私の眼をつけている娘がいる。だが、その子は生徒じゃないんだ。ちょっと色の黒い孤児で、とてもクルー大尉の子供とは思われないけれど。」
ちょうどその時、あの魔法が――あの手際のいい魔法が、また働き出したのでしょう。
ちょうどインドの紳士がそう言った時、ふとラム・ダスが入ってきて、主人に額をついて礼をしました。
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