小鳥たちは灰の中にとびこみ、まずハトが身をかがめて、豆をつまんで、取って、拾い上げました。
残りの小鳥たちも、同じように豆をつまんで、取って、拾い上げました。
灰の中から豆を、灰をのけつつ、お皿の上においていきました。
全部終わるのに三十分もかからず、小鳥たちはまた飛び出していきました。
アッシェンプッテルは、今度こそパーティーに行けるとわくわくしながら、まま母のところへ二枚のお皿を持っていきました。
けれども、まま母はこう言いました。
「こんなものどうでもいいのよ。とにかく、あんたは行けないんだから。ドレスもない、ダンスもできないようでは、こっちが恥をかくだけだわ」
まま母は、ふたりの娘を連れて、パーティーに行ってしまいました。
みんな行ってしまって、家にはアッシェンプッテルひとりだけになりました。
悲しみに暮れて、アッシェンプッテルはハシバミの木の下まで行って、そこへ座って言いました。
「震えて、揺れて、小さな木、
わたしに金銀ふりかけて」
すると、アッシェンプッテルの友達、あの鳥さんが木から飛び出してきました。
金銀のドレスや、きらきらの絹の靴を持ってきたのです。
アッシェンプッテルはドレスを着て、絹の靴を履いて、ふたりの姉のいるパーティーへ行きました。
しかし、姉たちはアッシェンプッテルではなく、どこかの知らないお姫さまだと勘違いしました。
それほどきらびやかな服に身を包んで、立派で美しく思えたからです。
アッシェンプッテルは家で灰まみれになっているから、ここにいるはずがないと思っていたのです。王子さまはアッシェンプッテルに近づいて、その手を取り、いっしょにダンスを踊りました。
王子さまは、アッシェンプッテル以外のだれとも踊ろうとしませんでした。
ずっとアッシェンプッテルの手を握りしめていたのです。
ほかの人がアッシェンプッテルにダンスを申し込んでも、王子さまはこう言いました。
「この方は、ぼくとダンスをしているのです」
こんなふうにして、ふたりは夜が更けるまで、ずっとダンスを続けました。
アッシェンプッテルが帰る時間になると、王子さまは言いました。
「お話をしながら、あなたの家までご一緒してもいいですか?」
王子さまは、この美しいお姫さまが、どんな家に住んでいるのか知りたかったのです。
けれども、アッシェンプッテルは王子さまの手を振りほどくと、突然、家に向かって走り出しました。
王子さまは追いかけましたが、アッシェンプッテルは家畜小屋に飛び込んで、鍵をかけてしまいました。
王子さまは仕方がないので、だれかが出てくるまで待つことにしました。
やがてアッシェンプッテルのお父さんが帰ってくると、王子さまは、パーティーにいたあのお姫さまがこの家畜小屋に身をひそめたのだ、と説明しました。
ふたりでドアをこじ開けましたが、中はもぬけの殻でした。
アッシェンプッテルのお父さん、まま母、姉たちが家の中に入ると、アッシェンプッテルはいつものように、小さなランプのほのかな明かりに照らされながら、灰で汚れたワンピースを着て、横になっていました。
どうやってここまで来たかといいますと、アッシェンプッテルは全力疾走で家畜小屋を通り抜け、ハシバミの木のところまでやってきたのです。
そして木の下でドレスを脱ぎ、鳥さんが持ち帰れるように木の下に置いてから、いつもと同じように灰色のワンピースを着て、灰の中に寝そべったというわけです。
次の日もパーティーが始まり、お父さん、まま母、姉たちが出かけてしまうと、アッシェンプッテルはハシバミの木のところへ行って言いました。
「震えて、揺れて、小さな木、
わたしに金銀ふりかけて」
鳥さんが持ってきたのは、昨日よりもずっときれいなドレスでした。
パーティーに行くと、アッシェンプッテルがあまりにも美しいので、みんな驚いてしまいました。
王子さまはアッシェンプッテルを待ち焦がれていて、すぐに手を取って、いっしょにダンスを踊りました。
ほかの人がアッシェンプッテルにダンスを申し込んでも、王子さまはやっぱりこう言いました。
「この方は、ぼくとダンスをしているのですよ」
夜が更けて、帰る時間になりました。
この日も王子さまは後をつけていき、昨日見失った場所まで来ました。
しかし、アッシェンプッテルはあっという間に、家の裏庭に消えてしまいました。
庭には、美味しそうな実をつけた洋なしの木がありました。
アッシェンプッテルはほかに隠れるところも見つからないので、だれにも見られないうちにと、木の下の葉っぱの中へ隠れてしまいました。
王子さまはアッシェンプッテルを見失ってしまい、どこへ行ったかまったくわからなくなりました。
アッシェンプッテルのお父さんが帰ってくると、王子さまはこう言いました。
「いっしょにダンスを踊った、あのお姫さまが消えてしまったのです。たぶん、この洋なしの木の中に隠れていると思うのですが」
「もしかして、アッシェンプッテルが?」とお父さんは思い、斧を持ってきました。
えいと木を切り倒しましたが、人影も形もありませんでした。
みんなが台所へ行くと、アッシェンプッテルはやっぱり灰の中で横になっていました。
どうやったかというと、アッシェンプッテルは木と反対側から飛び降りて、きれいなドレスをハシバミの木の鳥さんに返してから、灰色の小さなワンピースに着替えた、というわけでした。
三日目、お父さん、まま母、姉たちがパーティーへ行くと、アッシェンプッテルはまた庭へ行って言いました。
「震えて、揺れて、小さな木、
わたしに金銀ふりかけて」
鳥さんが持ってきたのは、昨日よりももっときれいなドレスで、今度は靴が金でできていました。
パーティーへ行くと、アッシェンプッテルのあまりの美しさに、だれもみな、言葉もありませんでした。
王子さまは、アッシェンプッテル以外のだれとも踊ろうとしませんでした。
ほかの人がアッシェンプッテルにダンスを申し込んでも、王子さまはこう言いました。
「この方は、『ぼく』のパートナーなのですよ」
夜が更けて、帰る時間になりました。
やっぱり王子さまは、ついていく気でした。「今度こそ見失わないぞ」と心に誓いましたが、アッシェンプッテルもやはり、王子さまの前からぱっといなくなりました。
でも王子さまは頭を働かせて、あらかじめ階段をすべてオイルでべとべとにしておきました。
ですから、アッシェンプッテルが階段を駆け下りたとき、左の靴がくっついて脱げてしまったのです。
王子さまはその靴を拾い上げました。それは小さく美しい、金の靴でした。
次の日、王子さまは王さまのところへ行って言いました。
「ぼくは、この金の靴がぴったりはけるお姫さまを、お妃にしたいのです」
アッシェンプッテルのふたりの姉は、この話を聞いて大喜びしました。ふたりの足はきれいですから、絶対にはけると思い込んでいたのです。
まず上の姉が靴を持って自分の部屋に行きました。まま母が見守る中、靴をはいてみようとしました。
けれども、靴は思ったよりも小さくて、親指が邪魔をしてはけませんでした。
まま母はそれを見て、上の姉にナイフを手渡しました。
「大丈夫、切り取ればいいのよ。
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