あなた方が僕にニンフたちの居場所を教えてくだされば、すぐにあなた方の目を、そっくりそのまま、元通りよく光っている状態でお返しします」
「ニンフだって! これはまあ! 姉妹のみんな、この人はどんなニンフのことを言っているんだろうねえ?」と、スケヤクロウが叫びました。
「ニンフなんていろんな種類がいるそうだよ。森で狩りをしているのもあれば、木の中に住んでいるのもあり、また泉の中で楽しく暮らしているのもあるって話さ。あたしたちはニンフのことなんてちっとも知らないよ。あたしたちは三人の不幸せな婆さんで、うす暗がりの中をうろつき回り、三人でたった一つの目を使っているんだ。それをあんたが盗んでしまったんだよ。ああ、どこの誰だか知らないけれど、それを返しておくれ! お願いだから、返してちょうだい!」
その間もずっと、三人の白髪婆さんたちは手を伸ばして探りながら、一生懸命パーシウスを捕まえようとしました。しかし彼は、捕まらないように十分気をつけました。
「立派なおばあさん方」と彼は言いました。お母さんから、どんな時でもできるだけ丁寧に話すように教わっていたからです。「僕はあなた方の目を、しっかりと手に持っています。そしてあなた方がニンフの居場所を教えてくださるまで、それを大切にお預かりしておきましょう。僕が探しているのは、魔法の袋と、飛行靴と、それから――何だったかな?――そう、隠れ兜とを持っているニンフたちのことなんです」
「おやまあ、姉妹のみんな! このお兄さんは一体何のことを言っているんだろうねえ?」
スケヤクロウとナイトメヤとシェイクヂョイントは、ひどく驚いた様子でお互いに叫び合いました。
「一足の飛行靴だって言ったよ! もし彼がうっかりそんなものを履こうものなら、踵(かかと)が頭よりも高く飛び上がってしまうだろうに。それから隠れ兜だってさ! その中に彼がすっぽりと入れるほどの大きさがなきゃ、どうして兜が彼を見えなくさせるなんてことができるのかね。それから魔法の袋だって! それはまたどんな仕掛けになっているものやら? いやいや、よそ者さん! あたしたちはそんな不思議なもののことは一向に知りませんよ。お前さんには自分の目が二つもあるじゃないか。それなのにあたしたちには三人に一つしかない。お前さんの方が、あたしたちのような目が見えない三人の婆さんよりも、そういった不思議なものをずっと見つけやすいはずだよ」
パーシウスは彼女たちがそう言うのを聞いて、白髪婆さんたちは本当に何も知らないのではないかと思いかけました。そして、彼女たちをひどく困らせていることに胸を痛め、今すぐ目を返して、奪い取った無礼を詫びようとしました。
しかし、クイックシルヴァが彼の手を抑えました。
「彼女たちに騙されてはいけない!」と彼は言いました。「ニンフたちの居場所を君に教えることができるのは、世界中でこの三人の白髪婆さんだけなんだ。そして、その場所を知らなければ、蛇の髪をしたメヅサの首を首尾よく討ち取ることは決してできない。その目をしっかりと掴んでいるんだよ」そうすれば、すべてがうまくいくはずだから。
後になって分かったことですが、クイックシルヴァの言ったことに間違いはありませんでした。目ほど人間が大切にするものは、そうそうありません。それに、あの白髪婆さんたちは、本来なら三人で六つの目があるはずのところ、たった一つしか持っていなかったのですから、それを六つの目に負けないくらい大切に思っていたのです。
それを取り返す方法がほかにないと知って、彼女たちもとうとうパーシウスに、彼が知りたがっていた情報を教えました。彼女たちが教えてくれるとすぐに、パーシウスはこの上なく丁寧な態度で、その目を彼女たちのうちの一人の額にある空っぽのくぼみへとはめ込んで、親切にしてくれたことを感謝し、別れを告げました。
しかし、パーシウスが姿を消してしまうほどの遠さまで行かないうちに、彼女たちはまた新しく喧嘩を始めました。なぜかというと、彼女たちとパーシウスとの間に騒ぎが持ち上がった時に、ちょうど順番が回ってきていたスケヤクロウの手に、彼は何気なく目玉を渡してしまっていたからなのでした。どうも、この三人の白髪婆さんたちは、いつもよくこうした喧嘩をしては、自分たちの平和を乱していたようです。彼女たちはお互いに誰が欠けても困るはずですし、そもそも離れられない運命の仲間として生まれてきたことは明らかなのですから、これはなおさら困ったことでした。
一般的に言って、姉妹であれ兄弟であれ、年寄りであれ若い人たちであれ、例えば仲間に目が一つしかないというような場合には、お互いに辛抱するようにして、みんなで一度に覗こうなどと意地を張らないようにすることを、僕は世の人たちに忠告しておきたいと思います。
一方その間に、クイックシルヴァとパーシウスは、ニンフたちを見つけようとして、一生懸命に道を急いでいました。彼女たちから大変詳しく場所を聞き出せていたので、間もなく彼らはニンフたちを見つけました。
会ってみると、ニンフたちはナイトメヤやシェイクヂョイントやスケヤクロウなどとは、全く違った人たちだということが分かりました。なぜなら、彼女たちは年老いた婆さんではなく、若く美しい女性たちで、姉妹仲間に目が一つしかないなんてこともなく、めいめいとてもぱっちりとした自分の目を二つずつ持っていて、大変やさしくパーシウスを見つめたからです。
彼女たちはクイックシルヴァとは知り合いのようでした。そしてクイックシルヴァがパーシウスの引き受けた冒険の話をすると、彼女たちは自分たちが預かっている大事な品々をパーシウスに渡すことについても、少しも面倒なことは言いませんでした。
第一に彼女たちは、鹿の皮でできていて、変わった縫い取りのある、小さな財布のような物を取り出してきて、パーシウスに必ずそれを大切にするように言いました。これが魔法の袋でした。
次に、ニンフたちは、かかとに一対の可愛い小さな翼のついた、短靴のような、スリッパのような、草鞋(わらじ)のような物を取り出しました。
「パーシウス、履いてごらん」とクイックシルヴァが言いました。「これから先の道中、君はいくらでも望み通り足が軽くなるだろう」
そこでパーシウスは、片方を地面に置いたまま、もう一方のスリッパを履こうとしました。ところが、地面に置いておいた方のスリッパが、いきなり翼を広げて、地上から舞い上がったのです。もしもクイックシルヴァが跳び上がって、うまくそれを空中でつかまえなかったならば、恐らくどこかへ飛んで行ってしまったかもしれません。
「もっと気をつけたまえ」彼はそれをパーシウスに返してやりながら言いました。「空高く飛んでいる鳥が、もしも自分たちの中にスリッパが飛び込んできたのを見たりしたら、びっくりするじゃないか」
パーシウスがこの不思議なスリッパを両方とも履いてしまった時には、あまりに体が軽くなって、土を踏むこともできなくなりました。一足二足歩いてみると、これはまたどうでしょう! 彼はクイックシルヴァやニンフたちの頭よりも高く、ぽんと跳び上がってしまって、再び下りてくるのに大変骨が折れました。
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