初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第41話

ホーソーン ナサニエル

フィリーモンは彼らに、ボーシスが牛の乳を搾り、囲炉裏で菓子を焼き、それから多分いくつか産みたての卵を見つけて朝食の用意をするまで、もう少し出発を延ばすようにと親切に勧めました。
しかし客たちは、暑くならないうちにたくさん歩いておいたほうがいいと考えたようでした。
そんなわけで、彼らはすぐに出発すると言って聞きませんでしたが、その代わり、フィリーモンとボーシスに、少し一緒に歩いてどちらの道を行けばいいか教えてほしいと頼みました。
そこで四人はみんなで、古くからの友人のように話しながら家を出ました。
老夫婦がいつの間にか年上の旅人と親しくなり、彼らの善良で単純な心が、まるで二滴のしずくが限りない大海に溶け込むように、彼の心に溶け込んでいく様子は、本当に不思議なほどでした。
そしてクイックシルヴァのほうは、その鋭く敏い、冗談好きな頭の良さで、彼らの心にちょっとでも浮かぶ考えはどんな小さなものでも、本人たちが気づかないうちに見抜いてしまうようでした。二人は、クイックシルヴァの頭の回転がもう少し遅ければいいのに、と思うこともありました。それから、彼が巻きつけているあの不思議でいたずら好きな杖も、どこかへ放り投げてしまえばいいのに、と感じることもあったのです。
かといって、クイックシルヴァがあまりに愛想がよいものだから、杖や蛇と一緒に、彼を毎日朝から晩まで家に引き留めておきたいような気持ちにもなりました。

「ああ、本当にそうですね!」家を出て少し歩いたところで、フィリーモンが叫びました。「旅の人に親切にすることがどれほど素晴らしいことか、あの村の連中が少しでも分かっていれば、犬をみんなつないでおくでしょうし、子供たちに石を投げさせるような真似はしなかったはずですよ」

「あんなことをするなんて、罪深くて恥ずかしいことだわ。本当にその通り!」年老いたボーシスも、激しい口調で言いました。「今からでも村へ出かけていって、何人か捕まえて、彼らがいかにひどい人間かということを言ってやるつもりですよ!」

「行ってみたところで、誰もいないかもしれませんよ」クイックシルヴァが、ずるそうな笑みを浮かべて言いました。

その時でした。年上の旅人の表情が、穏やかでありながらも、非常に真面目で、厳しく、恐ろしいほどの威厳を帯びてきたのです。それを見て、ボーシスもフィリーモンも、一言も口をきく勇気を失ってしまいました。彼らはまるで空を見上げるかのように、おそるおそるその旅人の顔を見つめました。

「困っている見知らぬ人に対して、同胞のような温かい気持ちを抱けない人間は、この世に生きる価値がない。この世界は、人類という一つの大きな家族が住むべき場所として作られたのだから」と、その旅人はオルガンのような深く響く声で言いました。

「それはそうと、おじいさん、おばあさん」クイックシルヴァが、冗談といたずら心たっぷりの目つきで叫びました。「あなた方のお話のその村というのは、どこでしたっけ? どのあたりにあるんでしょうね? 一向にそれらしい場所が見当たらないようですが」

フィリーモンとボーシスは、つい昨日の夕方まで、牧場や家、庭や木立、子供たちが遊ぶ広い街路樹の通り、そして人々が商売をしたり楽しく暮らしたりしている様子が見えていた谷の方を振り返りました。
ところが、彼らはどんなに驚いたことでしょう。いつのまにか、村らしきものは跡形もなく消え失せていたのです! 村があったはずの谷底さえも、どこにもありませんでした。
その代わり、彼らの目の前には、広い湖の青い水面が広がっていました。湖は大きな鉢のような谷の端から端まで満たされ、まるで世界の始まりからずっとそこに存在していたかのように、周囲の山々の静かな姿を水面に映し出していました。

しばらくの間、湖面は波一つ立てず静まり返っていました。やがて少し風が吹いてくると、水面は朝日の光を受けて踊り、きらきらと輝きながら、さらさらと心地よい音を立てて岸辺に打ち寄せました。
その湖は、どこか見覚えがあるような不思議な感じがしました。老夫婦はまるで狐につままれたかのような気分で、そこに村があったというのは夢に過ぎなかったのではないかと思いました。
しかし次の瞬間、彼らは失われた民家や、そこに住んでいた人々の顔や性格を、夢にしてはあまりにもはっきりと鮮明に思い出しました。村は確かに昨日まで存在していたのです。そして今は、もうどこにもないのです!

「ああ! あの村の人たちは、かわいそうに、どうなってしまったのでしょう?」と、心の優しい老夫婦は叫びました。

「彼らは、もはや男や女としては生きていない」と、年上の旅人が荘重で深みのある声で言いました。その時、遠くの方で雷がそれに応えるようにゴロゴロと鳴ったような気がしました。「彼らの生活は、何の役にも立たなかったし、少しも美しいところはなかった。なぜなら、彼らは人と人との間の優しい愛情を働かせて、人間の苦しい運命をやわらげ、少しでも楽しいものにしようとは決してしなかったからだ。彼らの胸には、善い生活の面影が少しも残っていなかった。だからこそ、ずっと昔にあった湖が再び広がり、ただ空を映す場所に戻ってしまったのだ!」

「それから、あのおろかな連中がどうなったかというとね」クイックシルヴァが例のいたずらっぽい笑みを浮かべて言いました。「みんな魚にされてしまったのさ。別に姿を変える必要もなかったのさ。彼らはもともとウロコが生えたような下等な連中だし、あれほど冷たい血をした人間なんていなかったんだからね」「だから、ボーシスばあさん、もしおじいさんが焼いた鱒(ます)でも食べたくなったら、いつでも糸を垂らして、もとの村人たちを五、六匹も釣り上げればいいんですよ!」

「あらまあ!」ボーシスは身震いしながら叫びました。「わたしはどんなことがあっても、彼らを焼き網に乗せるなんて嫌ですよ!」

「その通りだ」と、フィリーモンも顔をしかめて付け加えました。「自分たちが彼らを食べるなんて、どうしてそんなことができるものかね!」

「善良なフィリーモンよ」と、年上の旅人が言葉を継ぎました。「そして親切なボーシスよ。お前たちは、家を離れた旅人である我々を、これほど心からの親切を込めてもてなしてくれた。そのおかげで、牛乳は神の御酒(みき)が尽きることのない泉となり、黒パンと蜂蜜は神の口にもかなうごちそうとなったのだ」

「こうして神々は、お前たちの食卓において、オリンポスの饗宴で出されるのと同じ食事でもてなしを受けた。年寄りの二人よ、見事な振る舞いであった。さあ、望みを言ってみなさい。何でもかなえてやろう」

フィリーモンとボーシスは互いに顔を見合わせました。そして、どちらが口にしたのかは分かりませんが、二人の心の願いを一つにまとめて伝えました。

「わたし達が生きている間は、ずっと一緒に暮らして、死ぬときには一緒に死なせてくださいませ! 私たちはこれまでずっと、お互いを愛し合ってきましたから!」

「その願い、かなえてやろう」と、見知らぬ人は厳かでありながらも、優しさを込めて答えました。

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