手のひらに乗せて眺めていたかと思うと、今度はそれを丁寧に、部屋の隅に置いてある三本脚の丸いテーブルの上に置いた。
ウィリアムはもう一度懐に手を入れ、胸の隠しから何か書き付けのようなものを取り出した。扉のところまで行って、横に差し込んである鉄の棒が抜けないか確認してみる。鍵は大丈夫だ。
ウィリアムは丸い机に寄りかかり、取り出した書き付けをゆっくりと広げた。紙なのか羊皮紙なのかは定かではないが、古びた色合いからして、最近のものではない。風もないのに紙の表面が動くのは、紙が意思を持っているのか、それとも自分の手が震えているのか。
書き付けの冒頭には「幻影の盾の由来」と書かれている。すれてしまったのか、文字の跡がかすかに残っているだけだ。
「汝が祖ウィリアムは、この盾を北の国の巨人に得たり……」
「ここに書かれているウィリアムというのは、私の四代前の先祖のことだ」
ウィリアムは独り言を漏らした。「黒雲の地を渡る日なり。
北の国の巨人は、まるで雲の中から振り落とされた鬼のように押し寄せてくる。
拳のようなコブがついた鉄棒を片手に振りかざし、骨も砕けよと打ち下ろせば、馬も倒れ、人も倒れる。大地を這う雲には血潮が混じり、鳴り響く風の中には火花さえ見える。
これは単に人を斬り合う戦ではない。脳を砕き、胴を潰し、人という形を滅ぼさなければ終わらない、凄まじい戦いなり。
……」ウィリアムは「猛々しい連中だ」と眉をひそめ、舌を打った。
「私が渡り合ったのは、巨人の中でも一番の巨人だった。
銅板に砂を塗りつけたような顔の中に眼を据え、稲妻を射るようにこちらを見る。
『南方の犬よ、尾を巻いて死ね』と、あの鉄棒を脳天から振り下ろす。
眼の前の空が二つに裂けるような音がして、鉄のコブが私の右肩をかすめた。
肩を覆っていた鋼鉄の板が、一番外側の部分から二つに折れて肉に食い込む。
私が打った太刀先は、巨人の盾を斜めに切りつけただけで、カチンと鳴るばかり。
……」ウィリアムは急に視線を移して、壁の盾を見た。
四代前の先祖が打ち込んだ刀の跡が、今もはっきりと残っている。
ウィリアムは再び読み進めた。
「私は巨人を三度斬った。三度目に私の太刀は鍔元から三つに折れ、巨人がかぶっていた兜の鉢金が内側にへこむのが見えた。
巨人が鉄棒を下すこと四回、四回目に巨人の足は血を吸った泥を蹴り、木枯らしに杉の木が倒れるように、アザミの花が揺れる中で、落雷も恥じよとばかりにドサリと横たわった。
横たわって起き上がらない隙に、素早く縫うように動いた私の短刀の光を見よ。
我ながら比類なき手柄なり。
……」ブラボー、とウィリアムは小声でつぶやいた。
「巨人は言った。老いた牛が夕陽に向かって吼えるような声でこう言った。
『幻影の盾を南方の若造に譲る。大事に護持せよ』と。
私が盾を掲げてその理由を問うと、巨人は黙して答えない。
強いて尋ねると、彼は両手を挙げて北の空を指し示して言った。
『ワルハラの国、オジンの座の近くで、火にも溶けぬ黒鉄を、氷のような白炎で鋳たものがこの幻影の盾なり』
……」この時、戸口の近くで、石よりも硬い廊下の床を踏みならす音がした。
ウィリアムは立ち上がり、扉に耳を当てて聴く。
足音は部屋の前を通り過ぎ、次第に遠ざかっていく。下から、壁に反響する音だけが朗らかに聞こえる。
誰かが地下の貯蔵室へ降りていったのだろう。
「この盾にどんな奇跡があるのかと巨人に問えば、こう答えた。
『盾に願え。願って聞き届けられぬことはない。ただし、その身を滅ぼすこともある。人に語るな。語れば盾の霊は去る。
……汝が盾を持って戦に臨めば、周囲の鬼神が汝を呪うことあり。呪われた後には、天をも蓋うような大歓喜に逢うべし。ただ、盾を受け継ぐ者にのみこの秘密を許す』
南国の人が『こんな不吉なものは要らない』と盾を捨てて去ろうとすれば、巨人は手を振って言った。
『私は今、浄土ワルハラに帰る。幻影の盾は要らぬ。百年の後、南方に赤い服を着た美人が現れるだろう。その歌がこの盾の面に触れるとき、汝の子孫が盾を抱いて舞い踊る者があらん』
……」子孫とは、まさか自分のことではないか、とウィリアムは疑った。
廊下で足音がして、部屋の戸の前に留まったようだ。
「巨人はアザミの中に倒れ、そこに残されたのがこの盾だ」と読み終えてウィリアムが再び壁の盾を見ると、蛇の毛の模様がまた揺れ始めていた。
隙間なく絡み合った中を、下へ下へと潜って盾の裏側まで抜けてしまうのではないかと疑われることもあれば、上へ上へともがき出て、五寸の円の輪郭だけが盾を離れて浮き上がってくるのではないかと思えることもある。
下に動くときも上に揺り出すときも、清水が滑らかな石の間を流れるような音がする。
ただ、その音が一本一本の毛から鳴り、一束の音となって耳に届くのは、以前と変わらない。
動くものは必ず音が鳴るようで、蛇の毛はすべて動いているから、その音も蛇の毛の数だけあるはずだが――実に低い音だ。
まるで前の世の囁きを、奈落の底から夢の間に伝えるように聞こえる。
ウィリアムは茫然として、この微かな音を聞いていた。
戦も忘れ、盾も忘れ、我が身のことも忘れ、戸口に誰かが留まったことも忘れて聞き入っている。
コトコトと、戸を叩く音。
ウィリアムは魔が差したような顔をして、動こうともしない。
コトコトと、再び叩く。
ウィリアムは両手に紙片を捧げたまま椅子を離れて立ち上がった。
夢遊病者のように身を向け、戸口の方へ三歩ほど近づく。
眼は戸の真ん中を見ているが、脳裏に映っているのは戸ではないだろう。
外の者は気が急いたのか、厚い樫の扉を拳で、夜の静寂に響けとばかりに叩く。
三度目に叩いた音が、静かな夜を四方に破ったとき、偶像のようだったウィリアムは、氷の板を空中で砕くように、ハッと我に返った。
紙片を急いで懐に隠す。
叩く音はさらに激しく、絶え間なく響く。
「開けないのか」という声さえ聞こえる。
「戸を叩くのは誰だ」と、鉄の栓をからりと外す。
切り立った崖のような額の下、赤黒い髪が斜めにかかる隙間から、鋭く光る二つの眼が遠慮なく部屋の中へ進んでくる。
「わしじゃ」とシワルドが、返事も待たずに腰掛けにドサリと尻を下ろした。
「今日の晩餐で顔色が悪く見えたから、見舞いに来たぞ」と言って、片足を宙に上げ、残った膝の上にどっかと置いた。「そんなことはない」とウィリアムは瞬きをして、視線をそらした。
「夜鴉(よがらす)が羽ばたく音を聞くよりも先に、花がいっぱいの国へ行く気はないか?」シワルドは、何か意味ありげに尋ねる。
「花がいっぱいの国とは?」
「南の国のことさ。吟遊詩人(トルバドゥール)たちの歌が聞こえる場所のことだよ」
「あんた、俺に行けと言いたいのか?」
「わしは行かないよ、そんなの当たり前だ。もう六回、日の出を見れば、夜鴉たちの巣を根こそぎ海へ蹴落とすという大事な仕事があるからな。日の長い国へ渡れば、あんたの顔色も良くなるだろうという親切心から言ってるんだよ。ワハハハハ!」シワルドは傍若無人に笑い飛ばした。
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