すぐにうまくなって、おもしろいようにできるようになりますよ」
男は、横を向きながら、そして話をしながらも、上手に日月ボールを一度も落とさずに、ポン、ポンと続けていました。
子どもたちはその男を取り囲んで、感心しながら見ていました。
そして、箱の中に並べてあるめずらしいものたちにも目を奪われていました。
清さんは、その男が、かつて山の上で日月ボールをやっていた男にそっくりだったと言うのです。
「日月ボール一本二十銭! 買わずにその場でやってみようというなら五銭だ! うまくやれば、外国の古い切手でも、お金でも、紫水晶でも、なんでもあげます……」
その男は熱心に声を張り上げていました。
「その男は子どもをだますような怪しい男だったが、そのとき持っていたのは、金色ではなくて、赤い日月ボールだったよ」と、清さんは言いました。
「本当のこと?」と、孝ちゃんは清さんの顔を見上げました。
「ああ、本当にあったことさ」
清さんはまじめな顔で答えました。
清さんのボロ自動車にも、ときどきお客さんがやってきました。
清さんは人柄が良いので、近所の人たちも自然と車に乗るようになったのでした。
このときも、ちょうどお客さんがやってきて、清さんは車を走らせて出かけていきました。
初級翻訳・日月ボール 第2話
小川 未明
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