橘 外男

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亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第9話

案内をこうと、「おうおう、吉浦の健一さんか、遠いところをようこそ見えられたな、さァさァ、こちらへおあがり……」 七十をすぎた老僧は、きさくに玄関へ立ちあらわれましたが、お兄さまのうしろにしたがった博士にチラッと目をそそぐと、おや! といった...
亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第8話

洗いざらしの、ボロでやすが……」「下のひとえものはわかりませんけど、上のは、あらい十字がすり(※着物の柄のひとつ)の……まるで三十二、三の女性が着るような、派手な柄でしたわ。……そのおばあさんが、ずいぶん派手なゆかたを着ていらっしゃったから...
亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第7話

あるのは旦那様の足跡ばかりなんでやすがな……」「だって、俺がこの目で見たんだから、間違いはないよ」「旦那様、そりゃなにか、旦那様の見間違いじゃねえでやんしょうか? 大きな獣の足跡が……クマみてえな足跡ばかりがあるんでやんす」 吉蔵にそう言わ...
亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第6話

戸はしめてあっても、心張棒をかっていないその非常口は、もし曲者が手をかけたがさいご、スルスルとあいてしまうでしょう。しかも曲者は、その非常口のまえにすいつけられたように、うごかないのです。博士はかたずをのみました。と、とたんにやはり曲者は、...
亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第5話

「あなた! また、あのこわいお婆さんがやってきたのよ。ゆうべの、あのお婆さんが……そして、五郎丸が、血を吐いて死んでいるのよ!」「五郎丸がだって? ど、どこで死んでいるんだ?」「裏の出口の下の……茶畑の中で……血まみれになって死んでるんです...
亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第4話

そして頼子(よりこ)夫人の実家は、何代も前からこのご家老と親戚づきあいをしていました。そのため、この広大なお屋敷は、いつの間にか夫人の実家の持ち物になっていたのです。頼子夫人の実家は、ここから六里半(約25キロ)ほど離れた「吉浦(よしうら)...
亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第3話

看護婦の平松は老婆のせなかに、泣いている赤ン坊をおぶせてやって、手当のすんだばかりの油紙や、膿盤やメスなどを、かたづけていたように思われました。そして老婆は博士のうしろで、かえりじたくをしていたようにおぼえていましたが、ちょうどそのときだっ...
亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第2話

……先生さまおいでやしたら、ちょっくらこの赤ン坊さみていただきてえと、思えやんしてな夜分におうかげえして、もうしわけねえでごぜえやすけんど……」 思ったよりも、しっかりした口調で老婆はいいました。「ご診察なら、内玄関のとなりに診察室の入口が...
亡霊怪猫屋敷

初級翻訳・亡霊怪猫屋敷 第1話

怪しき老婆 この物語は、昨年の秋の終わりごろ、九州のいちばん西のはずれにある「大村」というお城下町の、古い武家屋敷がならぶ通りでおきたお話です。このあたりはもともと、昔はえらいお侍さんたちが住んでいた場所で、昔はちょんまげに刀をさした、お城...
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