妖怪博士

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初級翻訳・妖怪博士 第7話

あのね、ぼくを身動きできないように、細いロープで縛ってほしいんだ。」 お母さまは、「まあ。」と言ったきり、言葉も出ない様子で、悲しそうな目で泰二君を見つめました。子どもがお母さまに「縛ってくれ」と頼むなんて、正気の沙汰とは思えません。泰二君...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第6話

さあ、こちらへおいで。」妖婆はショールの中から手を出して泰二君をまねきながら、ジリジリと近づいてきます。右へ逃げれば右へ、左へ逃げれば左へ、おばあさんは泰二君の身をかわすほうへ、まるでひもで引かれているかのように、しつこくつきまとってくるの...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第5話

ここにもまた、おかしなからくりがあって、本棚の奥に秘密の部屋が作られていたのです。博士はそのまっくらなせまい部屋にはいると、本棚のトビラをもとどおりにしめて、電気のスイッチをカチッと入れました。なんてふしぎな部屋でしょう!部屋のひとつのすみ...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第4話

そこにちゃんといるじゃないか」指さされたほうを振り返ってみると、書棚の隅にある一つの石膏像の足もとに、きたならしい洋服が脱ぎ捨ててあるのが目に入りました。洋服だけではありません。一足のボロボロの破れ靴に、白髪のかつらのようもの、そしてつけひ...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第3話

「おやっ……」」と思って、ふりむいてみますと、今しがたまでひらいたままになっていた、ただ一つの窓がいつのまに、だれがしたのか、がんじょうな鉄のよろい戸で、ぴったりとふさがれていることがわかりました。そのよろい戸が外からの光線をさえぎって、こ...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第2話

玄関のベルをおして、ここの家の人に知らせてあげよう。」泰二君はとっさに心をきめて、ソッと門のとびらをひらくと、足音をたてぬように気をつけながら、正面の玄関へかけあがっていきました。呼びりんのボタンをさがしますと、入り口の柱の上のほうについて...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第1話

奇怪な老人 空が一めん、白い雲におおわれた、どんよりとむしあつい、春の日曜日の夕方のことでした。 十二、三歳のかわいらしい小学生が、麻布の六本木に近い、しずかな屋敷町を、ただひとり、口笛を吹きながら歩いていました。 この少年は、相川泰二(あ...
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