海底の魔術師

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江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第5話

あれから半月もたつのに、賢吉君のまわりでは何も起こらないのですから、もう大丈夫だという気がしていました。ところが、そうではなかったのです。宿題の難しいところにさしかかったので、賢吉君はそれを考えるために鉛筆を置いて、目の前の空間を見つめてい...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第4話

そっと木の幹から覗いている賢吉君の目の前に、風を切ってひとりの若者の姿が現れました。なんだか派手な縞模様の背広を着た、不良のような奴です。若者はたちまち、逃げる男に追いつきました。「待てッ、さあ、もう逃がさないぞ。貴様が鉄の箱を持って逃げた...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第3話

背中のトサカのようなものは、まるで剣を並べたように鋭く尖っています。大きな尻尾は鉄のワニのようで、動くとガチャガチャと音がしそうです。一郎君の息遣いが荒くなってきました。いったい、こんな恐ろしい怪物が太平洋に住んでいたのでしょうか。深い深い...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第2話

機械でも動いているときは生きているのですから、それが死にたえたようにじっとしているのは、なんとなくぶきみなものです。ふたりがそこへはいって、二、三歩あるいたときです。じつにふしぎなことがおこりました。死んでいる機械の一部分が、ゴトゴト動きだ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第1話

沈没船の怪物 日東サルベージ会社が沈没船を引き上げる仕事が、房総半島の東側にある大戸村の沖合で行われていました。 その海の底には、東洋汽船会社の千五百トンの貨物船「あしびき丸」が沈んでいます。ひと月ほど前の嵐の夜、「あしびき丸」は進むべき道...
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