海底の魔術師

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江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第15話

「ほら、あれが大洋丸だよ。でっかいだろう」技師の言葉に下を見ますと、貝殻がいっぱいついた巨大な船体が横たわっていました。それがスーッと近づいて、潜水機は、傾いた大洋丸の甲板にあるハッチの近くにとまりました。向こうの方を、目玉のように光るもの...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第14話

水中電灯です。怪人は水中電灯を持たないで逃げたのですから、それは怪人ではありません。いったい何者でしょう?「ああ、わかった。僕の仲間があとから潜ってきたんだ。そして怪人を見つけて追いかけているのだ」潜水夫はそう思ったので、急いでそちらへ近づ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第13話

この潜航艇は遊覧用のものですから、前と横とに厚いガラスの窓がついています。その窓から艇内の電灯の光が漏れているのです。それを遠くから見ると、変なところに三つ目のある怪物のようです。鉄の人魚はそれに気づくとギョッとしたように身構えて、じっとそ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第12話

しかし、ついに鉄のハサミの力よりも、ハヤブサ丸の巻き上げ機の力が勝りました。ロープはぐんぐん巻き上げられ、潜水機は鉄のハサミを振り切って、海面へと引き上げられていきました。潜水機から出てハヤブサ丸の甲板に上がった技師は、全身びっしょりの汗で...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第11話

いずれにせよ、無線で本社に相談します。そして大阪から、応援のチームを送ってもらいましょう」すると、その場にいたサルベージ会社の技師が口を開きました。「それにしても、時間がかかりすぎます。怪物はもう金塊のありかを見つけ出しているかもしれません...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第10話

二十年も経っているため、水中のゴミが積もり、そこから海草が生え、貝殻もびっしりとついていて、鉄の船というよりは、海底に横たわる大きな岩山のように見えました。船体は三十度ほど横に傾いて沈んでいます。甲板がまるで急な坂道のようになっていたのです...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第9話

ハヤク、ヨンデクレ」仕方がないので明智さんを呼んで、受話器を渡しました。「私は明智だが、君は誰かね?」「シッテルダロ、オマエノテキダ。ヨクモテツノハコノナカノモノヲ、カクシタナ。オボエテイロ、キット、トリカエシテヤルゾ。アケチ、オボエテイロ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第8話

俺たちの姿が見えなくなったら、トランクを開けて出してやるがいい。そうすればまた自動車を運転してくれるはずさ」偽の運転手は自動車から飛び出すと、パタンとドアを閉めました。そして三人の男は、まるで短距離走の選手のような恐ろしい勢いで、向こう側へ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第7話

「それはこういうわけだよ。この鉄の箱の中には、三つの書きものが封じ込められていた。ひとつは福永という、もと遠洋航路の大洋丸の船長をしていた人の遺言書。ひとつは、紀伊半島の南の海路図。もうひとつは保険会社の証書なのだよ」明智はそう言って、手に...
江戸川 乱歩

初級翻訳・海底の魔術師 第6話

それでは、家の外まわりを調べてみようということになり、三人の警官が塀の外の暗い町を歩いていると、向こうの方から恐ろしい勢いで駆け寄ってくる男の姿が見えました。何者かに追いかけられているかのように、一目散に走ってくるのです。「君、どうしたんだ...
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