芥川 竜之介

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芥川 竜之介

初級翻訳・鼻 第1話

お寺の偉いお坊さん、禅智内供(ぜんちないく)のお鼻は、池の尾(いけのお)では知らない人はいないほど有名でした。なんと、長さは五~六寸(約15~18センチ)もあって、上のおくちの上からあごの下まで、ずーっと垂れ下がっていたのです。形は、鼻のつ...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第4話

私たちはどうなっても、あなたさえ幸せになれるのなら、それ以上のことはないんだからね。大王が何と言っても、言いたくないことは黙っていなさい」それは確かに、懐かしいお母さんの声でした。杜子春は思わず、目を開けました。そして、馬の一匹が、力なく地...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第3話

しかし、すぐに目を開いて見ると、空は以前の通り晴れ渡り、向こうにそびえる山々の上にも、茶碗ほどの北斗七星が、やはりきらきらと輝いています。ということは、今の激しい嵐も、あの虎や白蛇と同じように、鉄冠子の留守を狙った、魔物のいたずらに違いあり...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第2話

「いや、お金はもういりません」「金はもういらない? ほう、では贅沢をするのにも、とうとう飽きてしまったというわけだな」老人は疑わしそうな目つきをしながら、じっと杜子春の顔を見つめました。「いいえ、贅沢に飽きたのではありません。人間というもの...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第1話

ある春の日の夕方、中国の都、洛陽の西の門のそばで、一人の若者が空を見上げていました。この若者の名前は杜子春(とししゅん)。もともとはお金持ちの息子でしたが、今ではお金を使い果たしてしまい、毎日食べるものにも困るくらい、かわいそうな状態でした...
羅生門

初級翻訳・羅生門 第3話

老婆は、つぶやくような、うめくような声を出しながら、まだ燃えている火の光を頼りに、梯子の口まで這っていきました。そして、そこから短い白髪を逆にして、門の下を覗きこみました。外には、ただ黒々と暗い夜があるばかりです。下人は、すでに雨を冒して、...
羅生門

初級翻訳・羅生門 第2話

ヒノキの皮のような色の着物を着た、背が低く、痩せて、白髪頭の、猿のような老婆です。その老婆は右手に火をともした松の木片を持ち、死体の一つの顔をのぞき込むように眺めていました。髪の毛が長いところを見ると、たぶん女の死体でしょう。下人は、六割の...
羅生門

初級翻訳・羅生門 第1話

ある日の夕暮れどきのことです。一人の下人が、羅生門の下で雨がやむのを待っていました。広い門の下には、この男のほかに誰もいません。ただ、あちこちの赤いペンキがはげ落ちた大きな柱に、コオロギが一匹とまっているだけです。本来、羅生門という大きな門...
芥川 竜之介

初級翻訳・蜘蛛の糸 第2話

極楽も、もうお昼に近い時間になったようです。
芥川 竜之介

初級翻訳・蜘蛛の糸 第1話

一ある日のことでございます。お釈迦さまは、極楽にある蓮(はす)の池のふちを、おひとりでぶらぶらと歩いていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、どれも宝石のように真っ白で、その真ん中にある金色のめしべからは、なんとも言えないいい香りが...
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