ハックッシュッ、ハックッシュッ、はぁはぁハックッシュッ、
ハックッシュッ、ハックッシュッ、はぁはぁハックッシュッ。
あわて床屋
春は早いうちから川辺の葦(あし)に、
カニが店を出して、床屋でござる。
チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。
小ガニはぶつぶつ石鹸を溶かし、
親父(おやじ)は自慢のハサミを鳴らす。
チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。
そこへウサギがお客にござる。
「どうぞ急いで髪を刈っておくれ」
チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。
ウサギは気がせく、カニは慌てるし、
早く早くと客を詰め込むし。
チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。邪魔なお耳はぴょこぴょこ動くし、
そこで慌ててちょんと切り落とす。
チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。
ウサギは怒るし、カニは恥をかくし、
どうしようもなくて穴へと逃げ込む。
チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。
どうしようもなくて穴へと逃げ込む。
チョッキン、チョッキン、チョッキンナ。
舌切雀
舌切雀はどこへ行った、
どこへ行った、
どれどれ探しに出かけましょう。
雀のお宿はあれかいな、
あれかいな、
ちょっぽり小さな藪が山の陰。
とんとんからりこ、とんからり、
とんからり、
中ではとんとん機織る梭(ひ)の音。
お宿はここかと尋ねたら、
尋ねたら、
おおおお、おじいさん、よくいらっしゃいました。
舌切雀のお土産は、
お土産は、
つづらにいっぱいの美しい絹織物。
雀のお宿はどこかいな、
どこかいな、
おじいさん、私も行ってみようか。
欲張りばあちゃんのおつづらは、
おつづらは、
開けたらびっくりお化け。
雀のお宿
笹藪、小藪、小藪の中で、
ちゅうちゅうぱたぱた、雀の機織り。
あっちでとんとん、
こっちでとんとん、
やれやれ、忙しい、日が傾く。
ちゅうちゅうぱたぱた、ちゅうぱたり。
雀、雀、雀の子らは、
ちゅうちゅうぱたぱた、その梭を拾い。
上へ行ったり、
下へ行ったり、
やれやれ、忙しい、日が縮まる。
ちゅうちゅうぱたぱた、ちゅうぱたり。
青縞、茶縞、茶縞の着物、
ちゅうちゅうぱたぱた、何反織れたかな。
朝から一反、
昼から一反、
やれやれ忙しい、日が暮れる。
ちゅうちゅうぱたぱた、ちゅうぱたり。
物臭太郎
物臭太郎は朝寝坊、
お寺の鐘が鳴っても目が覚めない、
鶏が鳴いてもまだ気づかない。
物臭太郎は家を持たない、
馬が通っても道の端、
お地頭さまが見えても道の端。
物臭太郎はなまけもの、
お腹が空いても寝てばかり、
藪蚊が刺しても寝てばかり。
物臭太郎は欲がない、
お空の向こうを見てばかり、
桜の花を見てばかり。
雉ぐるま
雉、雉、雉ぐるま、
お雉の背中に積むものは、
子雉、子々雉、孫の雉。
雉、雉、雉ぐるま、
お雉のくるまを引くものは、
子鳩、子々鳩、孫の鳩。
雉、雉、雉ぐるま、
雉は子の雉、お父さんが恋しい、
鳩は子の鳩、お母さんが恋しい。
雉、雉、雉ぐるま、
雉はけんけん、鳩ぽっぽ、
鳴いてお山を今朝越えた。
雉ぐるまの玩具は今でも筑後の清水寺の観世音で売っています。
この寺は行基菩薩という方が開いたお寺です。
ほろろうつ山の雉子の声きけば父かとぞ思ふ母かとぞ思ふ。
行基
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