初級翻訳・ルルとミミ 第4話

ルルとミミ

「ねえ、ルル兄さま!」
「なあに……ミミ」
「女王様は、なんだかお母様のようじゃなかった?」
「ああ、僕もそう思ったよ」
「あたし、なんだかお別れするのが悲しかったわ」
「ああ、僕もミミと二人きりで湖の底にずっといたいような気持ちになったよ」
こんなことを二人は話し合いました。
そうして二人は抱き合って、海月の足の下をのぞき込みながら、何度も何度も女王様のいらっしゃる方へ「さようなら」と手を振りました。
ルルとミミが湖の表面に浮き上がったところには、美しい一艘の船が用意されていました。
その上にルルとミミは乗り移りました。
「海月よ。
ありがとう。
ルルとミミが心からお礼を言っていたと、女王様に伝えておくれ」
海月はやはり黙ったまま、ゆらゆらと水の底へ沈んでいきました。
兄妹は船の端につかまって、その海月の薄青い光が、水の底深く深く、とうとう見えなくなってしまうまで見送っていました。
お月様は今、西に沈もうとしていました。
かすかに吹き出した朝の風が、二人の船を陸の方へ吹き送り始めました。
湖の表面には、牛乳のような朝もやが立ち込めていました。
その向こうから、まだ誰も起きていないらしい、なつかしい故郷の村が見えました。
その村のお寺の鐘つき堂に、小さく小さく、かすかにかすかに光る鐘……ルルはそれをじっと見つめていましたが、その目からどうしたわけか涙がポトポトとしたたり落ちました。
「まあ。
お兄さま、どうなさったの。
なぜお泣きになるの……」
ルルは静かに振り返りました。
「ミミや。
お前は村に帰ったら、一番に何をしようと思っているの……」
「それはもう……何よりも先にあの鐘の音を聞きたいと思いますわ。
あの鐘は今度こそきっと鳴るに違いありませんから……どんなにいい音でしょう……」
と、ミミはもう、ルルの顔を見上げながら、その音が聞こえてくるかのようにため息をつきました。
ルルも一緒にため息をつきました。
「ミミや。
そうしてあの鐘が鳴ったなら、村の人はきっと私たちを可愛がって、二度と再び湖の底へは行けないようにしてしまうだろうねえ」
「まあ。
お兄さまはそれじゃ、湖の底へお帰りになりたいと思っていらっしゃるの……」
ルルはうなずいて、また一つため息をつきました。
そうしてまた、涙をハラハラと落としました。
「ああ。
ミミや。
わたしはあの鐘の音を聞くのが急に怖くなった。
村の人に可愛がられて、湖の底へまた行くことができなくなるだろうと思うと、悲しくて悲しくてたまらなくなった。
私は湖の御殿へ帰りたくて、帰りたくてたまらなくなったのだ。
私は死ぬまであそこの噴水の番をしていたくなったのだ」
「それならお兄さま……あの鐘の音はもうお聞きにならなくてもいいのですか……お兄さま……聞きたいとはお思いにならないのですか」
「ああ。そうだよ、ミミ……だから、お前は私の代わりに、もう一度一人で村へ帰って、あの鐘を突いてくれるように村の人たちに頼んでくれないか。あの鐘はルルの作り損いなんかじゃないんだと伝えてね。それから兄さんのところへ来るんだ。兄さんはその鐘の音を湖の底で聴いているから……お前が来るのを待っているからね」

そう言いながら、ルルは立ち上がって湖の中に飛び込もうとしました。
「あら! お兄さま、どうしてそんな悲しいことをおっしゃるの……それなら私も一緒に連れて行ってちょうだい!」
ミミは慌ててルルを抱き止めようとしました。
すると不思議なことに、ルルの姿は煙のように消え失せてしまいました。
船も、お月様も、湖も、村の影も、朝もやもすべて消え去り、あとにはただ、何とも言えない芳しい香りだけが漂っていました。

ミミは「あれ?」と思ってあたりを見回しました。
見ると、ミミは先ほどと同じように湖のふちの草原にうつ伏せになり、花の鎖をしっかりと抱きしめながら眠っていたのでした。
今まで見ていたのはすべて夢で、待っていたはずのお月様は、ようやく空にのぼり始めたばかりでした。
そして湖の水は、やはり元の通り黒いまま静まり返っています。

ミミは「わああん!」と泣き崩れました。
泣いて泣いて、涙も声も枯れ果てるほど泣き続けました。
女王様の言葉を思い出しては泣き、ルルの顔を思い出しては泣き、ルルと抱き合って喜んだあの幸せな時間を思い出しては、あたりを見回しました。
けれども、そこにはもうルルの姿はありませんでした。
ただミミが花を摘んだ春の草が、涙のような露をいっぱいに溜めて、月の光を映しながら果てしなく茂っているばかりでした。
それを見て、ミミはまた泣き続けました。

そのうちに、お月様はだんだんと空の真ん中へと近づいてきました。
ミミもようやく泣き止んで、そのお月様を見上げました。
「ああ、お月様。今まで見たことは、本当に夢だったのでしょうか。どうか教えてくださいませ」
けれども、お月様は何の答えもくださいませんでした。

ミミは涙を拭いて立ち上がりました。
露に濡れた草原を踏み分け、お寺の方へと歩いていきました。
鐘つき堂まで来ると、空高く月の光に輝いている鐘を見上げました。
「あの鐘を突いてみましょう。もしあの鐘が鳴ったなら、睡蓮が教えてくれたことは本当のことなんだわ。湖の底の御殿も本当にあるはず。女王様のお言葉も本当のことでしょう。お兄さまも、本当にあそこで待っていてくださるはず……。あの鐘を突いてみましょう……」

ミミが突いた鐘の音は、大空高く、お月様に届くほどに、野原の彼方、世界の果てまで、そして湖の底深く、女王様の耳にも届くくらい澄み渡って響き渡りました。
お寺の和尚さんも、村の人々も、子供たちまでもが目を覚ますほど、美しく清らかな音が響き渡りました。

ミミは夢中で喜びながら、お寺の鐘つき堂を駆け降りました。
「ああ……夢ではなかった。夢ではなかったんだわ。お兄さまは本当に湖の底で待っていてくださる。私が来るのを待っていてくださるのね。ああ、嬉しい。ああ、嬉しい。私はもう、本当に会えるんだわ。そして、もう二度と離れるようなことはないのね。ああ、嬉しい……」

そう言いながら、ミミは先ほどの花の鎖がある場所まで駆け戻りました。
その花の鎖の端を両手でしっかりと握りしめると、静かに湖の底へと沈んでいきました。
空の真ん中にかかったお月様を見上げながら……。

村中の人々は鐘の音に驚いて、老人や子供までみんなお寺に集まってきました。
お寺の和尚さんと一緒になって、「一体どうしたのだろう」と話し合いましたが、誰が鐘を突いたのか、どうして鐘が鳴ったのかを知っている人は一人もいませんでした。
そのうちに、鐘つき堂の石段に、ミミの露に濡れた小さな足跡が、月の光に照らされているのが見つかりました。
その足跡は草原のふちまで続くと、草を踏み分けた跡に変わり、ずっと湖の岸辺まで続いていました。

村の人々は、湖のふちに残されていた花の鎖の端を見つけました。
その一方の端は、ずっと湖の底深くへと沈んでいるようでした。
「あら、これは私たちがミミちゃんに摘んであげた花よ。

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