初級翻訳・十五夜お月さん 第2話

十五夜お月さん

畑の中で鳴いていた、堂鳩。
お寺の裏口に、鉄砲が打ち通る。
親鳩、子鳩、屋根から見ていた。

### 汐がれ浜
ペンペン草は、どこまで伸びる。
港の雨は、パラパラ雨だ。
汐がれ浜の小笹にたまれ。
小笹もゆれろ、港もゆれろ。

### 雉子(きじ)
雉子が鳴いた、雉子が鳴いた、山で鳴いた。
茨(いばら)に刺されて、雉子が鳴いた。
雉子が言った、雉子が言った、山で言った。
足袋を縫って、履かせましょうと、雉子が言った。

### 鼬(いたち)と雀
ここの家は引っ越して、雨戸が閉まっておりました。
お庭の、お庭の真ん中に、鼬が歩いておりました。
ここの家は引っ越して、雨戸が閉まっておりました。
お庭の、お庭の木の上に、雀が遊んでおりました。

### 鈴虫の鈴
鈴虫、鈴虫、チンチロリン。その鈴、どこから持ってきた?
「母さんがお嫁に来るときに、番頭に背負わせて持ってきたんだ」
鈴虫、鈴虫、チンチロリン。その鈴、ちょっと貸してみろ。
「貸したら返さないもん、あっかんべー! 番頭さんに持たせてやっちゃった」

### みそさざい
ちっ、ちっ、と鳴いているミソサザイ。
畑に赤牛が立っていたぞ。
雨がこんこ、パラパラ降ってきた。
傘をさしてあげるから、こっちへ来い。

### 象の鼻
象に猿の服を着せたら、うれしがるだろうな。
赤い帽子をかぶせたら、うれしがるだろうな。
象に靴を履かせたら、歩き出すだろうな。
象の足は太いから、重たいだろうな。
象の目は小さいから、眠たいだろうな。
象の鼻は長いから、日が暮れるだろうな。

### 四丁目の犬
一丁目の子供、駆け足で帰れ。
二丁目の子供、泣きながら逃げた。
四丁目の犬は、足の長い犬だ。
三丁目の角で、こっちを向いていたぞ。

### 柿
五兵衛さんの娘が、柿を持っていた。
おいらに見せて、見せて、柿を持っていた。
隣の男の子も、柿を持っていた。
おいらに見せて、見せて、柿を持っていた。
柿を買って食べたいな、お金をちょうだい。
向こうの小母さん、お金をちょうだい。
おいらの母さんは、なぜ死んだ?
おいらに黙って、なぜ死んだ?
草の陰から、柿をおくれ。

### 糸切
糸切虫に、どの糸を切らせようか。
ほぐれた糸を、よりより切らせよう。
糸切虫は、赤い糸を切った。
小さな口で、ぽきんと切った。

### 人橋
隣の家は、昨日も留守だ。
厩(うまや)の裏口に、ミミズが鳴いていた。
人橋をかけろ、どんどん橋をかけろ。
姉上さまは、馬に乗って行った。

### 鈴虫
ころころ、ころころ、鈴虫が、ころころ、ころころ鳴いている。
風呂場で風呂を炊く、その火が煙くて、煙くて鳴いている。
ころころ、ころころ、鈴虫が、ころころ、ころころ鳴いている。
甕(かめ)からこぼれた甘酒を、飲ませておくれと鳴いている。

### 酸漿(ほおずき)提灯
おら家の提灯、酸漿提灯。畑に提灯ぶら下げた。
隣の提灯、酸漿提灯。畑に提灯ぶら下げた。
畑の提灯、酸漿提灯。夜も昼も、提灯ぶら下げた。

### お山の烏
カツコ、カツコ、帰れ、お山の烏。
明日は雨だ、カツコ、カツコ帰れ。
鳩ポッポが鳴いた、ポッポ、ポッポと鳴いた。
お山の烏、カツコ、カツコ帰れ。

### 青い青い海
山からタッチクだ、海からタッチクだ。
タッチク、タッチク、タッチクだ。
父さんが恋しい、母さんが恋しい。
海鵯(うみひよどり)も、タッチク、タッチク、タッチクだ。
青い青い海を、見ていたがいいか。

### 迷子
赤い帯を締めて、赤い下駄を履いた。
誰と行ったの? 一人で行った。
どこまで行ったの? 誰も知らない。
八幡様の狐に聞いた。

### 鶏さん
雛の母さん、鶏さん。鳥屋に買われていきました。
大寒、小寒で寒いのに、雛とわかれていきました。
雛とわかれた母鶏さん、鳥屋でさびしく暮らすのでしょう。

### 十五夜お月さん
十五夜お月さん、ご機嫌さん。婆やはお暇(いとま)を取りました。
十五夜お月さん、妹は田舎へ貰われていきました。
十五夜お月さん、母さんに、もう一度わたしは逢いたいな。

### 鼬(いたち)の嫁入り
今夜は鼬の嫁入りだ。鼬に長持を貸してやれ。
厩の後ろの篠藪(しのやぶ)に、鼬が提灯をつけていた。
厩の後ろの篠藪は、霜枯れの篠藪。ああ、寒い。
今夜は鼬の嫁入りだ。鼬に駒下駄を貸してやれ。烏猫

烏猫、烏猫。
目ばかりがギラギラ光る、
烏猫。

のろり、のろりと歩いてる。
ほんとにずる賢い、
烏猫。

矮鶏(ちゃぼ)の雛を追いかけた。
尻尾の長い、
烏猫。

厩(うまや)の裏手に回って、
昼寝でもしていろ。
ぐうぐう、ぐうぐう、昼寝でもしていろ。

火箸がぐにゃりと曲がるほど、
ひっぱたいてやるから、
大人しく昼寝していろ。

百弗(ひゃくドル)

猫のおばさん、
ミミズクさん。
百弗貸してあげるから、
家を建てなさい。

石でしっかりと、
家を建てなさい。
レンガでしっかりと、
家を建てなさい。

猫のおばさん、
ミミズクさん。
子猫にも百弗、
金を貸してあげた。

百畳の畳が出来上がってくる。
どんどん踏んでも踏みきれない。
朝から晩まで踏んでも、
踏みきれない。

カンカラカン

港の船は、
カンカラ、カンカラ、カンカラだ。
ざんぶ、ざんぶと波に、
ゆられていたぞ。

河原の石も、
カンカラ、カンカラ、カンカラだ。
どんか、どんかと風に、
吹かれていたぞ。

厩の馬も、
カンカラ、カンカラ、カンカラだ。
長ーい、長ーい顔をして、
水を飲んでいたぞ。

兎の耳

兎の足は、びっこだね。
耳を切ってつなごうか、
びっこだ、びっこだ、びっこだね。

縛って切ろうか、
だまして切ろうか、
びっこだ、びっこだ、びっこだね。

兎に話すと逃げ出すぞ。
耳を背負って、
逃げ出すぞ。

誰にも黙って番をしてろ。
耳を見張りながら、
番をしてろ。

時雨唄(しぐれうた)

雨降りお月さん、
傘を貸しておくれ。
傘をさしたいの、
死んだ母さん、あとから来た母さん。

時雨の降るのに、
下駄を貸しておくれ。
裸足で米を研ぐの、
死んだ母さん、あとから来た母さん。

親孝行するから、
足袋を貸しておくれ。
足が凍えて歩けないの、
死んだ母さん、あとから来た母さん。

奉公に行きたいから、
味噌を分けておくれ。
喉にご飯が通らないの、
死んだ母さん、あとから来た母さん。

雀の家

雀のお家は、
どこでしょう。

雀に聞いても、
隠している。

子雀をだまして、
聞き出しましょう。

学校のうしろの篠藪(しのやぶ)は、
わたしのお家と、
言いました。

親鶏子鶏

親鶏、子鶏、
トツト、トツトと駆けろ。

下駄屋の店で、
下駄を買って履かせよう。

親鶏、子鶏、
トツト、トツトと駆けろ。

ニャアニャア猫も、
下駄を買ってきたぞ。

留守番

隣の母さん、継母さん。
鼬(いたち)に留守番、
頼んでいた。

小豆の飯は、
赤飯だ。
鼬は「あかんべー」と、
していたっけ。

隣の父さん、よい父さん。
鼬に留守番、
頼んでいた。

小豆の飯は、
赤飯だ。
鼬が留守番、
していたっけ。

蜂

蜂、蜂、飛んで来ないで。

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