初級翻訳・尾なし犬 第9話

佐野 良二

「何が違うのさ」
「…………」
 急に芳枝の声が遠のき、周囲が暗くなってきた。
長い階段を登ってきたせいで、貧血が起きたのかもしれなかった。
克夫はしゃがみ込もうとした。
耳元でヒューッと音がして、魂が抜けていくような気がした。

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