初級翻訳・死神の名づけ親(第一話) 第2話

グリム ヴィルヘルム・カール

もっとも、子どもや若い者でも、ちっぽけな灯火しか持っていないことはよくあることだがな」

「わたしの命の灯火を見せてください」
自分の灯火はまだまだ大きく燃えているだろうと思い、医者がそう頼むと、死神は今にも消えそうな、ちっぽけな蝋燭の燃えかすを指さして言いました。
「見なさい。これだよ」

「こりゃあ、ひどいや」医者はぎょっとしました。「おじさん、新しい灯火を点けてくださいよ。
ねえ、頼みますから。そうすれば生き続けられるし、王さまになって、美しいお姫さまの婿にもなれるんですから」

「わしの力ではどうにもならんよ」と、死神は答えました。「古い灯火がひとつ消えてからでないと、新しい灯火は燃え出さない決まりなのだ」

「それなら、古いやつを新しいやつの上へ乗っけてください!
古いやつが燃え尽きれば、新しいのがすぐ続いて燃え出すでしょう」
医者は泣きついて頼みました。

死神は、その願いを聞き届けるようなふりをして、手を伸ばし、新しい大きな蝋燭を引き寄せました。
けれども、最初から意趣返しをするつもりだった死神は、差し替える瞬間にわざと失敗しました。小さな蝋燭は、ころりとひっくり返って消えてしまったのです。

その瞬間、医者はぱったりと倒れました。今度は、医者自身が死神の手に落ちてしまったのです。

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