初級翻訳・母を尋ねて三千里 第5話

アミーチス エドモンド・デ

母親はたださめざめと泣き出しました。
「ああ、子供たち……みんなもう生きていないのかもしれません。私も一緒に死んでいきたい。旦那様、奥様、ありがとうございます。これまでいろいろとお世話になり、本当にありがとうございます。私はもうお医者様にかかりたくありません。ここで死なせてください」
主人は「そんなことを言ってはいけない」と女の手を握って慰めました。
けれども彼女は、まるで死んでしまったかのように目を閉じていました。
主人と奥様は、ろうそくの消え入りそうな光の中で、この哀れな女を見守っていました。「家を助けるために、三千里も遠く離れた国までやってきて、あんなに一生懸命働いたのに、ここで命を落とすなんて。本当に可哀そうに……」
主人はそうつぶやき、そこにぼんやりと立ち尽くしていました。

マルコは痛む足をひきずりながら、袋を背負って翌朝早く、アルゼンチンで最もにぎやかな町、トゥクマンへと入りました。ここもまた他の街と同じように、まっすぐな長い道と、低い白い家が並ぶ町でした。ただ、マルコの目を喜ばせたのは、見たこともないほど大きく美しい植物と、イタリアでは見たことのないような、すみ切った青い空でした。

彼は街の中をずんずん歩いていきました。そして、もしかしたらお母さんに会えるのではないかと、すれ違う女の人がいるたびにじっと顔を見つめました。出会うすべての女性に「あなたがお母さんではないですか?」と尋ねてみたい気持ちでいっぱいでした。街の子供たちが四、五人集まってきて、ほこりだらけでみすぼらしい少年を不思議そうに眺めていました。

しばらく歩くと、道の左側に「イタリア」という名前が書かれた宿屋の看板が目に入りました。中には眼鏡をかけた男の人がいました。マルコは駆け寄って尋ねました。
「ちょっとお聞きしたいのですが、メキネスさんの家はどちらでしょうか?」
男の人は少し考えてから答えました。
「メキネスさんなら、ここにはいないよ。ここから六里ほど離れた『サラディーロ』というところだ」
マルコはまるで剣で胸を突き刺されたかのように、その場に崩れ落ちてしまいました。

すると、宿屋の主人や女の人たちが駆け寄ってきて、「どうしたんだ、いったいどうしたというんだ」と言いながらマルコを部屋の中へ運び入れました。主人は彼をなだめるように言いました。
「さあ、何も心配することはない。ここから少し行けばすぐの場所だよ。川のそばに大きな砂糖工場が立っている、そこがメキネスさんの家だ。誰でも知っている場所だから、安心していい」

しばらくすると、マルコは生き返ったかのようにムクリと起き上がり、「どちらへ向かえばいいのですか、どうぞ早く道を教えてください。私はすぐにでも行きます!」と叫びました。
主人は「お前はひどく疲れている。休まないとたどり着けないよ。今日はここで休んで、明日行きなさい。一日かかる距離なのだから」と勧めました。
「いけません、いけません。私は早くお母さんに会わなければならないんです。すぐにでも行きます!」
マルコの強い意志に心を動かされ、宿屋の主人は一人の男をわざわざ町はずれの森まで案内させました。

マルコは大変喜び、教えてもらった道を急ぎました。道の両側には、こんもりとした並木が立ち並んでいました。マルコは足の痛みも忘れて歩き続けました。

その夜、お母さんはひどく苦しみ、息も絶え絶えに言いました。
「お医者様を呼んでください……助けてください……私はもう死んでしまいます」
主人や奥様、そして女中たちは、お母さんの手をとって励ましました。

もう夜中でした。マルコは歩く力も尽きかけ、何度も何度も転びました。それでも「お母さんに会えるんだ」という思いが胸の中にわき上がり、足の痛みさえも忘れてしまいました。やがて東の空が白々と明け始め、銀色の星も次第に消えていきました。

朝の八時になりました。トゥクマンのお医者さんは、若い助手と一緒に病人の家へやってきました。そして、しきりに手術を受けるように勧めました。メキネス夫婦もそれを強く勧めました。しかし、それは無駄でした。女はもう、手術を受けずにこのまま死んでいくのだとあきらめていたからです。医者はそれでもあきらめずにもう一度説得しましたが、女はこう言いました。
「私はこのまま、安らかに死なせていただきたいのです」
そして、消え入るような声で続けました。
「奥様、私の荷物と、このわずかなお金を故郷の家族に送ってください。私はもうこれで死んでいきます。どうか私の家へ手紙も出してください。私は子供たちのことが忘れられません。小さい子のマルコはどうしているでしょう……ああ、マルコが……」

その時、主人の姿はありませんでした。奥様はあわただしく駆け出していきました。
しばらくすると、医者は喜びに満ちた顔をして部屋に入ってきました。主人と奥様も一緒でした。そして、病人にこう言いました。
「ジョセハ、うれしい知らせがあるよ」
「驚いてはいけませんよ」
女はじっとその声に耳を澄ませていました。
奥様が言いました。
「お前が何よりも喜ぶことですよ。お前がとても可愛がっている子に会えるのですよ」
女はキラキラと光る目で奥様を見つめ、ありったけの力を振り絞って頭を上げました。

その時でした。ボロボロの服を着て、ほこりだらけになったマルコが入り口に立っていたのです。
女はびっくりして、「あっ!」と叫び声を上げました。マルコは駆け寄りました。
母親は、やせ細った手を伸ばしてマルコを抱きしめました。
そして、まるで夢を見ているかのように、「どうしてここへ来たの。本当にあなたなの? 本当にマルコなのね。ああ、本当に……」と叫びました。
母親はすぐに医者の方を向いて言いました。
「お医者様、どうぞ治してください。早く手術をしてください。私は早く元気になりたいんです。お願いです、お医者様、今の姿をマルコには見せないでください」

マルコは主人に連れられて部屋を出ました。奥様や他の女性たちも急いで外へ出ていきました。
マルコは何が起きているのか分からず不思議でたまらなかったので、「お母さんをどうするのですか?」と主人に尋ねました。
主人は、お母さんが病気だから手術を受けるのだと教えてくれました。
すると突然、女性の叫び声が家中に響き渡りました。
マルコはびっくりして、「お母さんが死んだんだ!」と叫びました。
医者が入り口に出てきて、「お母さんは助かったよ」と言いました。
マルコはしばらくぼんやりと立ち尽くしていましたが、やがて医者の足元へ駆け寄り、泣きながら「お医者様、ありがとうございます!」と言いました。
すると医者はマルコの手をとって、こう言ったのです。
「マルコさん。お母さんを助けたのは私ではありません。それはお前ですよ。英雄のように立派な、お前なのです!」

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