初級翻訳・若草物語 第4話

オルコット ルイーザ・メイ

まもなくベスとエイミーも目を覚まし、それぞれの枕の下に本を見つけました。一冊は鳩羽色、もう一冊は空色の表紙でした。みんなは起き上がって本を眺めながら話し合っていましたが、そのうちに東の空がバラ色に染まり始めました。メグが言いました。

「毎朝、目が覚めたら少しずつ読んで、その日一日を穏やかに過ごす助けにしましょう」

メグが読み始めると、ジョウは片手をメグの肩に回し、頬をすり寄せました。他の二人も静かにページをめくりました。三十分ほどして、メグとジョウは、お母さんにプレゼントのお礼を言おうと階下へ駆け降りました。

「奥様は、どこかの貧しい方が施しを求めてやってきたので、何か必要なものがないかと見て回るために、すぐに出かけられましたよ。奥様ほど、食べ物や着る物、薪まで気前よく分けてあげる方は他にはいませんからね」と、ハンナが答えました。ハンナはメグが生まれてからずっとこの家族と一緒に暮らしており、女中というよりは家族の一員のような存在でした。

「すぐにお帰りになるわね。だから、お菓子を焼いて準備しておきましょう」

メグは、ソファの下にかごを隠しました。いざという時にすぐ取り出せるようにするためです。
「あら、エイミーのコロン水の瓶はどこ?」
「エイミーが、リボンをかけるとか何とか言って持って行ったわ」とジョウが言いました。

「ねえ、私のハンカチはどう? ハンナが洗ってアイロンをかけてくれたのよ。マークは自分で刺しゅうしたの」と、ベスは自分の刺しゅうした文字を誇らしげに眺めました。

「まあ、この子は『エム・マーチ』じゃなくて『マザー(お母さん)』って刺しゅうしたのね、おかしいわ」とジョウが言うと、ベスは困ったような顔をして言いました。
「いけないかしら? 『エム・マーチ』だと、メグ姉さんとイニシャルが同じになっちゃうから」
「いいのよ、それなら間違いようがないわ。きっとお母さんも気に入ってくれるわ」メグはジョウに顔をしかめると、ベスには優しい笑顔を見せて言いました。

その時、玄関の扉が開く音がしたので、ジョウは「あ、お母さんだ! かごを早く隠して!」と叫びました。
そこへエイミーが慌ただしく入ってきました。
「どこへ行っていたの? 後ろに隠しているものは何?」
メグは、普段は怠け者のエイミーが朝早くから外出していたのを見てびっくりして尋ねました。
「笑わないでちょうだい。あたし、小瓶を大きな瓶に交換してきたのよ。これで手持ちのお金はなくなったわ。もう欲張りなことはやめにするの」エイミーの健気な努力に感動して、メグはすぐに彼女をぎゅっと抱きしめました。ジョウは窓辺へ行き、自分の一番きれいなバラの花を一輪摘んできて、その瓶を華やかに飾りました。

また玄関の扉が開く音がしました。
かごは急いでソファの下に隠され、姉妹たちは食卓につきました。お母さんが部屋に入ってくると、姉妹たちは声をそろえて言いました。
「クリスマスおめでとう! 素敵な本をありがとうございます。もう読み始めました。毎日大切に読もうと思います」

「みんな、クリスマスおめでとう! さっそく読み始めてくれたなんて嬉しいわ。これからも続けて読んでちょうだいね。ところで、食事の前に一つだけ話したいことがあるの。すぐ近くに、赤ちゃんを産んだばかりの貧しい女性が住んでいるのよ。暖房もなくて、六人の子供たちが凍えないように一つのベッドで寄り添って寝ているの。それに、食べるものも何もないから、一番上の子が寒さと空腹でとても苦しんでいると言いに来たのよ。みんな、あなたたちの朝ご飯を、クリスマスのプレゼントとして分けてあげない?」

みんなは一時間近くも待ってお腹がペコペコだったので、一瞬だけ言葉に詰まりました。でも、ジョウが勇ましく叫びました。
「食べる前に、お母さんが帰ってきてくれて本当に良かった!」
ベスは温かいご飯を運ぶお手伝いをしたいと言い、エイミーは、自分の一番のお気に入りだったクリームと焼き菓子を持っていくと言いました。メグは、手早くパンを大きな皿に盛りつけました。お母さんは満足そうに微笑んで言いました。
「みんな賛成してくれると思っていました。さあ、手伝ってちょうだい。帰ってきたらパンとミルクで朝食を済ませて、夕飯の時にその分たっぷりご馳走を食べましょうね」

すぐに準備を整えて、みんなで出かけました。着いてみて、姉妹たちは驚きました。なんと悲惨な部屋でしょう。窓は破れ、火の気はなく、布団はぼろぼろでした。母親は病気で伏せり、赤ちゃんは泣き、青ざめた顔の子供たちは空腹で、一枚の布団にくるまって震えていました。
姉妹たちが入っていくと、子供たちは目を大きく見開き、青い唇にほのかな笑みを浮かべました。
「ああ、神様! 天使様が来てくださった!」
その哀れな女性は、嬉し泣きをしながら叫びました。ジョウは、
「頭巾をかぶって手袋をはめた、ちょっとおかしな天使たちでしょう」
と言って、その場にいたみんなを笑わせました。

たちまち、この家には優しい精霊たちが舞い降りたかのようでした。薪を運んできて、ハンナが火をおこし、古い帽子や自分の肩掛けで窓の破れをふさぎました。お母さんは母親にお茶とお粥をあたえ、赤ちゃんを自分の子供のように丁寧にくるみ、これからもお世話をすると約束して励ましました。
姉妹たちはその間にテーブルの支度をし、子供たちを炉のまわりに座らせ、まるで空腹の小鳥たちを育てるように食事を与えました。
「ああ、おいしい! 子供の天使さん!」
子供たちは食べながら喜び、紫色に凍えた手を温かい火にかざしました。

家に帰ってから、姉妹たちはパンとミルクだけの朝食でしたが、それはとても楽しい食事でした。おそらくこの町で、その時の彼女たちより幸せな人は一人もいなかったでしょう。

お母さんが少し遅れて帰ってきたとき、プレゼントはすでに用意されていました。ベスの陽気なピアノの行進曲とともに、メグがお母さんを丁寧にお祝いの席へと案内しました。お母さんは微笑みを浮かべながらプレゼントの札を読み、すぐにスリッパを履き、ハンカチにコロン水をふりかけてポケットにしまい、バラの花を胸に飾り、きれいな手袋をはめました。それから、楽しいおしゃべりとたくさんのキスが続き、みんなの心に一生残るような素敵なひとときとなりました。

やがて、めいめい自分の仕事を始めました。それは晩のお芝居の準備です。お金をかけずに、家にあるもので気の利いた小道具や衣装を作るのです。
その夜、招かれた十人あまりの少女たちが、特等席のベッドの上に並びました。まもなくベルが鳴り、幕が上がりました。演目は「魔の森」です。植木鉢や箪笥を利用して、森と洞穴を表現しました。
魔女が、洞穴の炉にかかっている鍋をのぞき込んでいると、悪漢ユーゴーが腰の剣をガチャガチャと鳴らしながら登場しました。ユーゴーは、ロデリゴへの憎しみと、ザラへの愛を歌い上げ、ロデリゴを殺してザラを手に入れる決心を語りました。そして洞穴へ忍び寄り、「おい、女、御用だぞ!」と言って、ハーガーを呼び出すように命じました。
メグは白い馬の毛を顔に垂らし、赤と黒の衣装をまとって、杖を手に現れます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました