2026-08

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鈴木 三重吉

初級翻訳・青い顔かけの勇士 第1話

一 トゥロットのお家は貴族で、お父さまは海軍の士官ですが、今は遠くの海へ航海に出ています。そのためトゥロットは、お母さまと女中のジャンヌたちと一緒に、海辺にある別荘で暮らしていました。 トゥロットにはイギリス人の家庭教師のミスがついていて、...
三島 霜川

初級翻訳・青い顔 第3話

お前は赤い、俺は青い」「それじゃあ、どちらが偉いのでしょう」「そりゃあ、どちらか分からないな。どちらでも、自分の色の方にした方が偉いんだろう」「まるで喧嘩をしているようなものですね」「無論、そうさ。夫婦というものは、喧嘩をしながら子供を作っ...
三島 霜川

初級翻訳・青い顔 第2話

あなたと一緒になってから、もう三年にもなりますけれど、いつの日曜日に『散歩でもしないか』とおっしゃったことがあって? いつだって家にばかり引きこもって、他人を虐(いじ)めてばかりいらっしゃるのではありませんか」全くその通りで言い返せなかった...
三島 霜川

初級翻訳・青い顔 第1話

古谷俊男(ふるたに としお)は、縁側に置いてある長椅子に寝そべり、両腕で頭を抱えながら、じっと一点を見つめて考え込んでいました。せっかくの休日ですが、今日のように雨が降っていては、何もすることができません。好きな読書も、もう飽きてしまいまし...
小川 未明

初級翻訳・青い草 第2話

「兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川」「夢は今もめぐりて 忘れがたき故郷」道を急ぐ人々の中には、立ち止まってじっと耳を澄ます青年がいました。また、一人の女の人もいました。その人たちは、歌が終わるまでずっと聞き入っていました。「志をはたして い...
小川 未明

初級翻訳・青い草 第1話

小さな姉と弟は、お父さんの目がだんだん見えなくなっていくことに、とても不安を感じていました。「お父さん、あのカレンダーの字、もう読めないの?」と、壁の方を指さして聞いたのは、少し前のことです。お父さんが会社を辞めてからというもの、家の中はま...
小川 未明

初級翻訳・青い花の香り 第1話

のぶ子という、とてもかわいらしい女の子がいました。「のぶ子や、おまえが五つ、六つのころ、とってもかわいがってくださったお姉さんのことを忘れてしまったの?」お母さまにそう言われて、のぶ子はなんだか悲しい気持ちになりました。月日は、まるで音もな...
坂口 安吾

初級翻訳・青い絨毯 第4話

「君は知らないだろうけど、あの家ときたら、下の座敷へ降りると、足音のないお婆さんがいつも立っていたり、歩いていたりするんだぜ」「背が馬鹿に高くて肩幅の広い、力士が痩せたようなお婆さんなんだ」「そのお婆さんが、一人かと思うと、確かに二人なんだ...
坂口 安吾

初級翻訳・青い絨毯 第3話

僕の窓の正面には火薬庫があり、崖の上を銃剣を下げてグルグルと回る番兵の姿が見えます。病気の中、僕の幻覚はこの火薬庫へ忍び寄り、銃剣で追い詰められて、とたんに火薬庫が爆発する……そんな妄想にはじかれて我に返れば、全身の苦痛で腹這いになり、エビ...
坂口 安吾

初級翻訳・青い絨毯 第2話

事実、本を一冊訳し上げるような脇目もふらぬ緊張のせいもあったのでしょうが、顔に表れるやつれ方は顕著で、目はくぼみ、顔全体が脂でギラギラして、皺だらけで黄色くなっていました。ウサギ屋のモナカを食べ、濃いコーヒーをよく飲みました。そうして朝はた...
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