2026-08

スポンサーリンク
坂口 安吾

初級翻訳・青い絨毯 第1話

僕らが『言葉』という翻訳雑誌、そして『青い馬』という同人誌を出すことになり、その編集作業に使っていた部屋は、芥川龍之介の書斎でした。なぜそこを使っていたかというと、同人の葛巻義敏(くずまき よしとし)が芥川の甥だったからです。彼は当時二十一...
田中 貢太郎

初級翻訳・青い紐 第3話

ここへ何をしに来たんだ」哲郎は、女に連れられて階下の人に知られないようにこっそり来たことを思い出しました。彼はこうなれば、女に事情を説明してもらうほかに手立てはないと考えました。彼は起き上がってあたりを見回しましたが、女の姿はありませんでし...
田中 貢太郎

初級翻訳・青い紐 第2話

その時、背後からやってきて、彼の左側をすれすれに追い越していこうとする影がありました。それは、いかにも若々しく小柄な女でした。女は振り返るように、ちらりと白い顔を彼に見せました。女は長い襟巻(マフラー)をしていました。哲郎はすぐさま、この女...
田中 貢太郎

初級翻訳・青い紐 第1話

桃山哲郎は、銀座の尾張町の角にあるカフェでウイスキーを飲んでいました。彼は有楽町の線路沿いにある別のカフェで開かれた仲間との集まりで、まだ飲み足りない分をここで満たしているところでした。もう客足もまばらで、店内のストーブのすぐそばにあるテー...
桜間 中庸

初級翻訳・青い窓 第1話

へちまがぶらさがってる青い窓――ピアノの音が聞こえてた青い窓――だれが住んでいるのか知らないけれど住んでいた――どこへ行ったのか知らないけれど引っ越していった――いつも通っていく学校への道――へちまがゆらゆら揺れてる青い窓――
小川 未明

初級翻訳・青い石とメダル 第2話

そして、野ばらの咲く里川でその石を洗ったのです。石は水に濡れると、空の色よりももっと深い青色をしていました。青い石は勇ちゃんと一緒に、暗くて長いトンネルを汽車で通り、知らない遠い町へやってきました。そして、知らない町の空の下で、じっと太陽を...
小川 未明

初級翻訳・青い石とメダル 第1話

「犬ころし」がやってくるという噂が広まると、犬を飼っている家の人たちは、「かわいい犬を連れて行かれたら大変だ!」と大慌て。役所へ行って「畜犬票(ちくけんぴょう)」という登録の札をもらい、犬の首輪につけてあげました。でも、一番かわいそうなのは...
野村 胡堂

初級翻訳・青い眼鏡 第5話

「おい、島君」声だけは以前の宇佐美六郎のままの花房一郎が、ずかずかと進み出て、後ろ手に縛られた大谷千尋の肩に手を置きながら言いました。「このゲームは、私の勝ちのようだな」わだかまりもなく言い放ち、相手の顔を横から覗き込みます。「今のところで...
野村 胡堂

初級翻訳・青い眼鏡 第4話

「あっ、ちょっとその灯りを、少しだけ――」「電車が来ましたよ! どいたどいた!」信号手はけんもほろろに信号灯を取り上げると、花房一郎から遠ざけ、夜の街を猛獣のように走ってくる電車に向かって振りました。「赤い光だ、赤い光を!」辺りを見回すと、...
野村 胡堂

初級翻訳・青い眼鏡 第3話

もう一息というところで足踏みしているのです」「大谷千尋の正体を突き止めたのですね」「見当は間違っていないつもりですが、あくまで私の推測で、証拠というものが一つもないのです」「フーム……」一人は富田刑事部長、もう一人は言うまでもなく、宇佐美六...
スポンサーリンク