まるで宝石のように素晴らしい問題というのは、鍵の隠し場所が思いもよらない意外なところにあって、それを見つけて解き始めると、あとはドミノ倒しのようにガラガラガラと一気に全部解けてしまうような問題のことを言うんだよ。
この問題に挑戦するみんなは、名探偵の明智小五郎やシャーロック・ホームズ、あるいはファイロ・ヴァンスやエラリー・クイーンになったつもりで、頭をフル回転させて知恵を絞ってみてほしいな。
それでは、例題の解説に進もう!
【例題六】 これは「覆面算(ふくめんざん)」というパズルだよ。
いろんなアルファベットが並んでいるけれど、もちろん英語の26文字全部が並んでいるわけではなくて、全部で10種類しかないんだ。
使われているのは「C、M、L、Q、T、P、A、I、N、S」の10種類だよ。
この10人の「仮面をかぶった文字たち」が、それぞれ「1、2、3、4、5、6、7、8、9、0」のどの数字なのかを、これから推理の力で突き止めていこう、というわけなんだ。
QCN
______
CML)QTPAI
QIS
―――――
QPA
CML
――――
CCCI
CSNS
――――
MI
ちょっと見ただけでは、何が何だかさっぱり見当がつかなくて、まるで宇宙船で突然火星に不時着してしまったかのように戸惑ってしまい、どこから手をつけていいか分からないように思えるかもしれないね。
だけど、いつも言っているように、名探偵になったつもりでじっくりと観察していれば、やがて秘密の扉を開くための素晴らしい鍵を見つけることができて、思わずニヤリと笑顔になってしまうはずだよ。
さあ、いよいよこの覆面算のナゾ解き(探偵)を始めよう!
名探偵であるきみが、まず最初に目をつけたのは、上から5段目にある「CML」だ。
これって、割る数(除数)の「CML」と全く同じだよね!すごい発見、大発見だよ!
それなら、この5段目の計算が出てくるもとになった、答えの十の位の数字「C」は、絶対に「1」じゃなきゃいけないんだね。
そうだよね。
というわけで、計算の中にある「C」を全部「1」に書きかえて整理してみると、こんな風になるよ。
Q1N
______
1ML)QTPAI
QIS
―――――
QPA
1ML
――――
111I
1SNS
――――
MI
さあ、次はどこに2つ目の鍵が隠されているかな?
うん、これだね!
3段目の右端にある「S」が、実はとっても怪しいんだ。
この「S」の上にあるのは「P」だよね。
そして、この「S」の下にある答えも、同じ「P」になっているんだ。
つまり、「P」から「S」を引いたら、答えが「P」になった、というわけ。
P - S = P。
これって、ちょっと不思議な関係だと思わない?
いや、そんなことはないんだ。
こんなことが起こるのは、「S」が「0」のときだけなんだよ。
これでバッチリだね。
2つ目の鍵は、この「S」が「0」だということだったんだ!
そこで、計算の中の「S」を全部「0」にして、もう一度書き直してみるよ。
これで、だいぶ先が見えてきたね。
いやいや、まだ安心するのは早いぞ。
この先に、どんな難しいワナが待ち構えているか分からないからね。
Q1N
______
1ML)QTPAI
QI0
―――――
QPA
1ML
――――
111I
10N0
――――
MI
いよいよ、3つ目の鍵を見つけにいこう!
さあ、それは一体どこにあるのかな?
今度はなかなか手ごわそうだぞ。
おやおや、これはうっかり見落とすところだったよ。
どうやらこれだ、3つ目の鍵はこれに違いない!
さっき見つけた3段目の「Sは0」という部分だけど、ここに0が入ったのは、割る数の一の位の「L」と、答えの百の位の「Q」を掛け算した結果なんだ。
つまり、「L」と「Q」を掛けたら、答えの一の位が「0」になった、ということだね。
掛け算をして一の位が0になるのは、LかQのどちらかが「5」で、もう片方が「偶数(2、4、6、8のどれか)」のときだけなんだ。
(あ、今「LかQが0でもいいんじゃない?」って思った人はだれかな?
「0」はもう使われているんだよ。
「S」が「0」だって、さっき突き止めたばかりだよね。)
……さて、これだけではまだ数字は決まらないけれど、もう一箇所、注目すべきところがあるんだ。
それは、7段目の右端の数字も、同じように「0」になっていることだよ。
この0は、割る数の「L」と、答えの一の位の「N」を掛け算して出てきたものなんだ。
ということは、さっきと同じ理屈で、LとNのどちらかが「5」で、もう一方が「偶数」でなきゃいけないことになるよね。
ここで、「L」は「5」だと決まるんだ!
どうしてかというと、さっきは「LとQのどっちかが5か偶数」で、今は「LとNのどっちかが5か偶数」と言ったよね。この両方をどちらも正しくするには、共通している「L」が「5」になるしかないんだ。
(また聞こえてきたよ、だれだい?
「Lが偶数でもいいじゃないか」って言ったのは。
とんでもない、それはダメなんだ。
もしLが偶数だとすると、最初のルールからQが「5」になるよね。
そうなると、あとの方のルール(LとNのどっちかが5で、どっちかが偶数)のときに、LもQも5じゃないから、Nを5にするしかなくなる。でも5はもうQで使っちゃってるから、困ってしまうでしょ?)
とにかく、これで「Lは5」、そして「QとNはどっちも偶数」だということがわかったんだ。
さっそく、これを書き入れると次のようになるよ。
Q1N
______
1M5)QTPAI
QI0
―――――
QPA
1M5
――――
111I
10N0
――――
MI
このあたりで、きみが「虫喰い算って、なんて面白いんだろう!」って胸をワクワクさせているとしたら、それはもう、きみが虫喰い算の「とりこ」になっちゃった証拠だよ。
一度この面白さに取りつかれたら、ちょっとお気の毒だけど(?)、きみはもう一生、虫喰い算のファンから抜け出せなくなるかもしれないね。
決して脅かしているわけじゃないけれど、本当にそうなんだから仕方がないんだ。
さあ、おしゃべりはこれくらいにして、次へ進もう!
4つ目の鍵は、どこにあるかな?
4段目にある「Q」だけど、その下には「1」があるよね。
その下も、答えが「1」になっている。
ということは、「Q」から「1」を引いたら「1」になった、というわけだ。
そうすると、「Q」は1+1で「2」なのか、それとも、お隣の桁に「1」を貸してあげているから、本当は「3」だったのかも……と予想できるよね。
つまり、Qは「2」か「3」のどちらかだってことだ。
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