ゴムフウセン
櫻間中庸
ぼく はしっていった はしっていった。
セーターのポケットから キャラメルが とびだしそうで とびだしそうで ぼく はしっていった はしっていった。
たかおちゃんのうちは くるりと からたちのいけがきをまわった あそこだ。
かきのところを まわって ふうせんうりの おじいさんがきた。
あかいの あおいの みんな糸のさきで ゆらゆらゆれてる。
そらへとびそう そらはよくはれてる。
ぼく ふうせんみながらはしった。
ぼく ころんじゃった。
ふうせんは あたまのなかで くるくるまわって パチント こわれたんじゃないかとおもった。
セーターのポケットから いつの間にか キャラメルが とびだして みちのうえまでにげていた。
ぼく おきあがって キャラメルを かぞえて はこのなかへしまった。
みっ足りない ドブへ おっこちたんだろう。
ふうせんうりのおじいさん もう どこかへいっちゃってる。
からたちの いけがきのなかから たかおちゃんが よんでる。
かきのうえに あかいふうせんが のぞいてる きみのぶんも おかあさんが かってあげたよといってる。
ふうせんが いってるようだ。
ぼくうれしくて うれしくて たかおちゃんのうちの ごもんのほうへ はしっていった はしっていった。
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