忠五郎は偽りのない正直な告白をしていると感じましたが、その話は聞くに堪えない不気味な内容でした。あるいはこの経験は、ただの迷いなのかもしれません。悪意を持った魔の力が引き起こした幻覚なのかもしれません。しかし、もし本当に何かに魅入られているのだとしたら、この若者は叱るよりもむしろ憐れむべき存在でした。無理に干渉すれば、かえって害になると老人は考えました。そこで足軽はやさしく答えました。
「誰にも決して言わないよ。少なくとも、君が達者で生きているうちはな。それでは行って、その女に会ってきなさい。だが……用心するんだぞ。君は何か悪いものに取り憑かれているのではないかと、私は心配でならない」
忠五郎は老人の忠告を聞いて微笑むと、急いで去っていきました。
数時間後、忠五郎は妙にがっかりした様子で屋敷へ帰ってきました。
「会えたのかね」と老同僚が声をかけました。
「いいえ」忠五郎は答えました。「いませんでした。初めてそこにいなかったのです。もう二度と、私には会ってくれないのかもしれません。あなたにお話ししたのは私の誤りでした。約束を破ってしまったのは、この上なく愚かなことでした……」
相手は慰めようとしましたが、無駄でした。忠五郎は倒れ込み、何も言わなくなりました。悪寒に震えるように、彼は頭から足先までガタガタと震え出しました。暁を知らせる寺の鐘が鳴り出した時、忠五郎は起き上がろうとしましたが、生気もなく崩れ落ちました。それは確かに病気でした。それも、助からない病気でした。漢方医が招かれました。
「これは驚いた。この人には血が通っていない」医師は丁寧に診察してから言いました。「この人の血管には、水しか流れていない。これは難しい病気だ……。なんと因業なことだろう」
忠五郎の命を助けるためにできる限りのことは尽くされましたが、駄目でした。日暮れとともに彼は息を引き取りました。その後、老同僚が事の顛末を話しました。
「ああ、私もそれを疑っていたのだ」医者は叫びました。「……どんな力をもってしても、助けることはできなかっただろう。その女に命を奪われたのは、彼が初めてではないのだから」
「誰なのですか、その女は。それとも、その女とは何なのですか」足軽が尋ねました。「狐でしょうか」
「いや。古くからこの川に住み着いているものだ。若い男の血が好きなのだよ……」
「蛇ですか。それとも龍なのでしょうか」
「いやいや。君が昼間、あの橋の下で見たら、実に嫌な動物に見えるはずだよ」
「と言うと、どんな動物なのですか」
「ただの蟇(ひき)さ。大きな、醜い蟇さ」
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