まちがいなく一分後に、時計屋敷は大爆発し、天にふきあがり、崩壊し去った。
砂塵のようになった破片がおさまると、さっきまで見えていた大時計台が、どこへけし飛んだか姿を消していて、屋敷跡へ目を向けた者の背筋を冷くした。
五少年と七人の村人は、あやういところを助かった。
このへんでこの物語の筆をおかなくてはならないが、まだ二つばかりお話しすることが残っている。
その一つは、水鉛鉛鉱の埋蔵場所というのは時計屋敷の真下だったことである。
爆発の跡を探しているうちに、大地が掘れて、その鉱脈のあるのが発見された。
もう一つは、八木君を救ってこの屋敷の秘密を教えた怪囚人のことであるが、八木君は、あの硝子の床のある地下道がそっくり残っているのを見つけて、そこへはいっていった。
しかしふしぎなことに、見おぼえのある鉄の鎖と死神の仮面は見つかったが、かんじんの怪囚人の姿はなかった。
怪囚人は、どうなったか。
その謎だけは、今もなお解けない。
「あれはヤリウスさんの幽霊だったかもしれないよ」
と、八木君は結論をこしらえた。
「いや、もう溺死しそうになってから、君は恐怖のために、しばらく気がへんになっていたんじゃないか、だから会いもしない怪囚人に会ったように思っているのじゃないか」
四本君がそういった。
「どうも分らないね」
「とにかくふしぎなことだ」
「世の中のことは、なんでもみんな答が出るというわけにはいかないよ」
「水鉛鉛鉱の鉱脈が見つかったのは、思いがけない大手柄だったね」
そこで、少年たちは晴れやかにほほえんだ。
初級翻訳・時計屋敷の秘密 第14話
時計屋敷の秘密
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