泣きながら眠った子
今野大力
なんてうるさい泣き声なんだろう。
このとき耳にする子供の泣き声には、同情する気なんてこれっぽっちも起きない。
あれはまだ四歳になったばかりの小さな女の子の泣き声だけれど、かわいそうになんてちっとも思えない。
ただただ、うるさい。
騒々しい。
もう泣きやんでくれればいいのに。
もうたくさんだ。
心の中でいくらそう願ってみたところで、どうにもならない。
子供は少し熱があって、体もだるいし、消化不良も起こしているみたいだ。
気分が悪くて、何を見ても何を聞いても、すべてがいまいましくて仕方がないんだろう。
よっぽど、本当に気分がすっかり変わるようなことでもない限り、泣くこと以外にどうしようもないんだ。
泣き声は確かにうるさい。だけどそれは、子供が「体の具合が悪いよ」と必死に訴えている証拠だ。
体の不調を治してあげることもしないで、ただ怒鳴りつけたところで、一体なんの役に立つというんだろうか。
ああ、とうとう眠ってしまった。
泣き疲れて、転んだまま、泣き顔のその形のまま。
古びた畳の上へ、布団も敷かずに、何も着せてあげないままで、だだをこねながら眠りについてしまったんだ。
コメント