初級翻訳・火の島 第1話

宮沢 賢治

火の島
宮沢賢治

海の地鳴りがゴロゴロと響きわたる日は、
船もぜんぜん近づいてこないけれど、
火山は真っ赤に、ものすごい勢いで燃え上がって、
その上を雲がぐんぐんと流れていく。
海の大きな音が押し寄せてくるツバキの林の中で、
ぼくは一日中、せっせとユリの根を掘り続けて、
今日もとうとう、一日が終わってしまった。

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