初級翻訳・王さまの感心された話 第2話

小川 未明

王さまはこの言葉をお聞きになると、その健気な心づかいに本当に感心なさいました。
そして、いついつまでも花を愛するようになったのです。

最後に、王さまは魔法使いに命じて、
「あのやかましくさえずる小鳥は、いったい何のためにいるのかね?」と、その理由を小鳥にも尋ねさせました。
魔法使いは自分の持っている杖の上に小鳥を止まらせました。
そして同じように祈りをささげると、小鳥はこう語りました。

「私は、二人の姉と妹が星と花になったとき、小鳥になりました。
それは、野山を気ままに飛び回って遊ぶためではありません。
毎日、山や川を越えて旅をする人がどれほどいることでしょう。
そうした旅人たちは、急ぎ足で道を歩いています。
けれど中には、疲れ果てて、道端でぐっすり眠り込んでいる人もいます。
家では、子供たちがお父さんの帰りを待ちわびていることもあります。
また中には、重い病気にかかって、息子が一日も早く帰ってくるのを待ち望んでいる年老いた親たちもいます。
そんな旅人たちに元気を与え、気持ちよく朝早く目を覚ましてもらうために、私はこうして鳴いているのです。」
小鳥はそう申し上げました。

王さまは、弟である小鳥がなぜその姿になったのか、その健気な心づかいをよく理解することができました。
そして、お姉さんも、妹も、弟も、みんな人々のことを思って生きているのだと知り、深く深く感心なさいました。
王さまは、小鳥をいつの世までも平和の使いと定められたのでした。

それからすでに何万年もの時が流れましたが、星と花と小鳥は、今でも人々から深く愛され、たくさんの詩人たちに歌い継がれています。
三人の姉と妹と弟は、夜明けのほんの一瞬だけ、言葉こそかわさないものの、しっかりと顔を見合わせながら、いつまでもいきいきと、お互いを慰め合い続けているのでした。

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