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山本 周五郎

初級翻訳・骸骨島の大冒険 第2話

龍介がホテルに入ってから三十分ほど経ったころ、注意深く見ていたメトラス博士の部屋の窓が、突然暗くなるのを目にしました。「どうしたんでしょう」文子が壮太に囁きました。「停電じゃありませんか?」「だって、他の窓は明るいわ!」「そうですね、ことに...
山本 周五郎

初級翻訳・骸骨島の大冒険 第1話

招待状が届いた! 春田博士の家では、朝食の時間が賑やかに過ぎていました。「龍介もこれまで色々な事件を解決してきたが、一番面白かったのは何だい?」 博士は笑いながら、長男の龍介少年を見つめました。龍介君は府立第×中学の二年生で、とても頭の切れ...
末吉 安持

初級翻訳・騎士と姫 第1話

春の三月の夜は、ほのかに空と地が低く重なり合っています。あたり一面に漂う情愛の香りは、おぼろげな花曇りの夜に溶け込んでいました。お寺の壁に描かれた地獄絵さえも、今は温かい霞に包まれているようです。森の木立に差し込む月影を避け、深くかぶった黒...
小川 未明

初級翻訳・馬を殺したからす 第2話

こんなことがあってから、からすは人を煽ったり、嘘を言って困らせたりすることを喜ぶようになりました。それもすべて、かもめの言葉を信じてひどい目に遭った復讐を、他に向けていたからなのです。ある日、からすが田んぼや畑の上を飛んで、田舎道に差し掛か...
小川 未明

初級翻訳・馬を殺したからす 第1話

北の海の方に住んでいた一羽のかもめが、ふと思い立って南の空へと飛んでいきました。旅の途中で、下の方にとてもにぎやかな街が見えました。そこにはお堀があって、水がなみなみと青くたたえられていたので、かもめはしばらくそこに降りて暮らすことにしまし...
小川 未明

初級翻訳・飴チョコの天使 第2話

「あの子たちがもしこの飴チョコを買って、僕をあの小川に流してくれたら……僕は水の流れるままに、あのかすんだ山々の間を旅していけるのになあ」しかし、おかみさんが以前言った通り、農家の子どもたちには十銭の飴チョコを買う余裕はありませんでした。夏...
小川 未明

初級翻訳・飴チョコの天使 第1話

青い、とってもきれいな空の下に、黒い煙をモクモクと吐き出す、煙突が何本も並んだ工場がありました。その工場では、おいしい飴チョコを作っていました。できあがった飴チョコは小さな箱に入れられて、あちこちの町や村、そして大きな都会へと運ばれていくの...
菊池 寛

初級翻訳・風雲児、坂本竜馬 第1話

現存する坂本龍馬の写真を見ると、髪はぼさぼさで服も汚れており、いかにもパッとしない浪人といった格好をしています。浜本浩という人物の顔を少しひねったような風貌です。龍馬の親戚の話によると、彼がいつも着ていた黒い羽二重の着物は、膝の下あたりがい...
小川 未明

初級翻訳・風雨の晩の小僧さん 第2話

だけど、この雨風では、できていても届けられないわよ」「学校で、オーバーシューズがないと、靴を脱いでスリッパを履かないと怒られるのよ」「お天気になり次第、私が催促に行ってくるから、明日もう一日だけ我慢してちょうだいね」母と娘は、外で叫ぶような...
小川 未明

初級翻訳・風雨の晩の小僧さん 第1話

都会の靴屋さんで働いている小僧の信吉は、働き始めてまだ半年もたっていないので、何かにつけては田舎のことが恋しくてたまりませんでした。「もう雪が降った頃かな。家にいれば、今ごろは囲炉裏(いろり)のそばに座って、弟や妹たちと栗を焼いて食べている...
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