宮沢 賢治

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ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記

初級翻訳・ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 第6話

ペンネンネンネンネン・ネネムがすれ違いざまにふと見てみると、その赤い旗には、白い文字で『フクジロ』と染め抜かれていました。その横には、身長が九十センチ(三尺)くらいで、顔がまるでおじいさんのようにシワくちゃで、特に鼻が三十センチ(一尺)くら...
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記

初級翻訳・ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 第5話

一人の検事が、大きな声で書類を読み上げました。「ザシキワラシ。年齢二十二歳。歴数(あつれき)三十一年二月七日、表の世界――日本の岩手県上閉伊郡青笹村字瀬戸二十一番戸の、伊藤万太の宅にて。八畳の座敷の中に、正当な理由もないのに勝手に出現し、万...
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記

初級翻訳・ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 第4話

この先生が、あの有名な博士なんですね」ネネムはそっとつぶやきながら、自分もふところから鉛筆と手帳を取り出して、講義のメモを取り始めました。その時、教室にパッと電気がつきました。もう夕方になっていたのです。博士が向こうで叫んでいます。「では、...
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記

初級翻訳・ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 第3話

よし、絶対に書記になるぞ!」ペンネンネンネンネン・ネネムはお金を払ってお店を出る時、向かい側にあった姿見(大きな鏡)に、チラリと自分の姿が映っているのを見ました。すると、着ている服は夜の闇のように真っ黒で、くしゃくしゃに縮れた赤い髪の毛が頭...
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記

初級翻訳・ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 第2話

ネネムは、とうとう一番上まで登りきりました。クリの木のてっぺんというのは、もう、ものすごく寒い場所でした。そこでふと気づくと、自分の手から、まるでクモの糸で作ったような不思議な網が、ぐらぐら揺れながら青空の向こうまでずっと広がっていました。...
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記

初級翻訳・ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 第1話

一、ペンネンネンネンネン・ネネムの独立 ……(物語の冒頭は、原稿が燃えてしまっていて読めません)というわけだったのでした。実際、東の空は、お日さまである「おキレさま」が出てくる前に、まるで琥珀色のビールでいっぱいになったかのように、きれいな...
フランドン農学校の豚

初級翻訳・フランドン農学校の豚 第5話

「いかがですか、今日は一つ、お風呂にお入りなさい。すっかり準備はできていますよ」 豚が「分かりました」とも何とも返事をする前に、ピシッと鞭がとんできた。豚はしかたなく歩き出し始めたけれど、体がすっかり肥え太ってしまっているので、もう動くこと...
フランドン農学校の豚

初級翻訳・フランドン農学校の豚 第4話

君は一体、なぜ僕の言った通りにしなかったんだ?」「いいえ、窓もすっかり開けましたし、キャベツの良いところもやりました。運動も毎日丁寧に、十五分ずつさせております」「そうかねぇ、そんなにまでしてやって、それでもうまくいかないのかい。じゃあこい...
フランドン農学校の豚

初級翻訳・フランドン農学校の豚 第3話

」豚は返事しようと思ったが、その前にたべたものが、みんな咽喉へつかえててどうしても声が出て来なかった。「でね、実は相談だがね、お前がもしも少しでも、そんなようなことが、ありがたいと云う気がしたら、ほんの小さなたのみだが承知をしては貰えまいか...
フランドン農学校の豚

初級翻訳・フランドン農学校の豚 第2話

年をとった馬などは、わざわざ蹄鉄(ていてつ)をはずされて、ボロボロと大きな涙を流しながら、その大きな判子を証書にパタッと押したのです。フランドンのヨークシャー種の豚もまた、活版印刷で作られたその「死亡承諾書」を目にすることになりました。目に...
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