灰色の巨人

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江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第8話

これを取りかえすことは、すっぱりあきらめるんだな。ははははは……! きみは可愛い子どもだ。おれがかわいがってやるから、まあ、こっちへ来るがいい!」大男はニュッと巨大な手をのばすと、小林君の服のえりをグッとつかみました。まるで、子ネコでもぶら...
江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第7話

一寸法師が、逃げ回りながら電気のスイッチを押したのです。「だれか、早くスイッチを……!」言われるまでもなく、ひとりの店員がスイッチを手探りで見つけ出し、パッと明かりをつけました。ところが、そのときには、一寸法師の姿はどこにも見えなくなってい...
江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第6話

一寸法師 大泥棒が予告した三月七日の前の晩、大賞堂の主人と支配人は、店員たちがみんな寝てからそっと起きだして、明智探偵と相談した計画をきっちりやりとげました。つまり、本物の宝石が入った古新聞の包みは物置部屋のガラクタの中にほうりこまれ、店の...
江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第5話

そのあとで、店員たちは、からっぽになった首かざりのケースを取りかこんで、ガヤガヤ、いっています。「おい、このケースの中に、へんな紙きれがはいっているぜ。おや、なんだかえんぴつで書いてある。」「まんびき少女が、手紙をのこしていったのかな。」 ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第4話

その男は船頭に小さな船をこがせて、お台場の近くで、さかなをつっていたのですが、今から一時間ほどまえに頭の上を、ゾウのかたちをしたアドバルーンが、おきの方へ、飛んでいくのを見たのです。アドバルーンの綱が切れて、こんなところまで飛んできたんだな...
江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第3話

松村と名乗る怪盗は、このまま海におぼれて死んでしまうよりほかに道はないのです。彼はいったい何を考えて、こんな無茶な冒険をやったのでしょうか。巨大なゾウの風船がデパートの空へ飛びたち、だんだんと小さくなっていったころ、元刑事のひとりが急いで警...
江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第2話

そのとき、屋上にのこっていたひとりの店員の口から、とんきょうなさけび声がとびだしました。「あれっ、あすこだっ!あんなところにぶらさがっている!」店員は空を指さしていました。みんなの顔が、いっせいにその方向を見あげました。ああ、なんというはな...
江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第1話

志摩の女王 東京のまん中にある有名なデパートで、宝石のてんらん会が開かれていました。そのデパートの美術部主任が大がかりな準備をして、日本じゅうの有名などこにもない宝石をかり集め、五階のてんらん会場に、きらびやかにかざりつけたのです。むかしの...
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