江戸川 乱歩

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怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第7話

「こんなときの用意に、いいものを持ってきたよ」小林君はそうささやいて、胸のボタンをはずすと、その中にかくしていた大きな薄べったいものをとりだしました。それは四十センチ四方ほどの四角なボール紙でした。その片側に、まっ黒にスミが塗ってあります。...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第6話

井上君は、万年筆型の懐中電燈を出して、コンクリートのかべを、てらしていましたが、なにを見つけたのか、「あっ」と、声をたてました。「あれ、なんだろう?」 懐中電燈のまるい光が、コンクリートのかべの上のほうを、てらしています。その光の中に、黒い...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第5話

その、ドアの中のへやで、だれかがしゃべっているのです。「あなたは野村さんですね。おじょうさんのみち子ちゃんは、おあずかりしています。いや、けっして、手あらなことはしません。だいじにしますよ。ぼくは、人を殺したり、きずつけたりすることは、だい...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第4話

たるの中に、あのかわいい女の子が、手足をしばられて、おしこめられているすがたが、まぼろしのように見えてくるのです。いや、もしかしたら、あの女の子は、もうころされてしまったのかもしれません。そして、その死がいが、たるにつめてあるのかもしれませ...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第3話

きみの力なら、あけられるよ」 そこで、ふたりは、そこへ行って、力を合わせて、鉄のふたを持ち上げ、横へずらせて、中をのぞいてみました。「だれもいないよ」「おかしいな。ここのほかに、かくれるところはないんだがなあ」「あっ、あれ本だよ。さっき女の...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第2話

もっと他を探してみます」 店員たちはそう言い捨てて、急いで駆け出していきました。それを見送って、泥棒人形は机の向こうにすっくと立ち上がり、ニヤニヤと薄気味悪く笑いました。【顔の動かない男】 デパートの洋服売り場の人形に化けて宝石を盗んだ怪人...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第1話

【作者のことば】 怪人二十面相は、まるで魔法使いのような不思議な泥棒です。二十もの違った顔を持つといわれる、変装の名人なのです。 名探偵・明智小五郎の助手である小林少年と、少年探偵団の団員たちは、この怪人を相手に回して、知恵比べの戦いを挑む...
少年探偵団

初級翻訳・少年探偵団 第36話

明智はパッととびあがると、まるで弾丸のように、地下室を走りぬけ、階段を三段ずつ一とびにかけあがって、洋館の玄関にかけだしました。ドアをひらくと、出あいがしらに、十数名の制服警官が、二十面相逮捕のために、いま屋内にはいろうとするところでした。...
少年探偵団

初級翻訳・少年探偵団 第35話

美術室の下には、さらに一段深い地下の穴ぐらが用意してあったのです。二十面相は明智のゆだんを見すまして、すばやく穴ぐらのかくしぶたをひらき、その暗やみの中へころがりこんでしまったのです。われらの名探偵は、またしても賊のためにまんまとはかられた...
少年探偵団

初級翻訳・少年探偵団 第34話

まるで息でもしているように、胸のへんがふくれたりしぼんだりしていたからです。いくら生きているような仏像だって、息をしたり、脈をうったりするはずはありません。なんだかへんです。お化けみたいな感じです。二十面相は、ふしぎそうな顔をして、その仏像...
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