江戸川 乱歩

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怪人二十面相

初級翻訳・怪人二十面相 第5話

賊はその掛け金を外し、ガラス戸を開けてヒラリと窓枠にまたがったかと思うと、「これ、壮二君のおもちゃにでもあげてください。ぼくは人殺しなんてしませんよ。」と笑いながら、ピストルを部屋の中へ投げ込み、そのまま姿を消してしまいました。二階から庭へ...
怪人二十面相

初級翻訳・怪人二十面相 第4話

三分、二分、一分と、その時がジリジリと迫ってきます。二十面相はもう塀を乗り越えたかもしれません。今ごろは廊下を歩いているかもしれません……。いや、もうドアの外に来て、じっと耳を澄ましているのかもしれません。ああ、今にも、今にも恐ろしい音を立...
怪人二十面相

初級翻訳・怪人二十面相 第3話

「ショウ一二ジ」は「正十二時」、つまり午前零時きっかりに盗み出すという、自信に満ちた犯行予告です。「この『二〇』というのは、もしや二十面相のことではありませんか?」壮一君がハッとしたように、お父様を見つめて言いました。「そうだ。お前もよく知...
怪人二十面相

初級翻訳・怪人二十面相 第2話

明るい秋の朝日が差し込む中、羽柴家の土蔵から一人の少年が姿を現しました。小学生の壮二君です。まだ朝食の準備もできていない早朝なので、屋敷の中はひっそりと静まり返っていました。早起きのスズメだけが、元気に庭木の枝や土蔵の屋根でさえずっています...
怪人二十面相

初級翻訳・怪人二十面相 第1話

はしがきそのころ、東京中の町々や家々では、ふたり以上の人が顔を合わせれば、まるで挨拶代わりの世間話のように、怪人「二十面相」の噂ばかりしていました。「二十面相」とは、毎日新聞紙面をにぎわせている、ふしぎな盗賊のあだ名です。その犯人は、二十も...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第12話

応接室の中は、しーんと、しずまりかえっています。野村さんは、ふしぎに思って、おずおずとドアに近づき、そっと、ドアを開いてみました。すると、正面のいすに、中村警部らしい、背広の人が、こしかけているのが見えました。ほかには、だれもいません。「中...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第11話

それに、窓がありませんから、中でなにをしていても、外からはわからないのです。変装箱のむこうに、鏡がかかっています。怪人は、その鏡にむかって、これから変装をはじめるのです。「よし、出発してくれ。ゆっくり走るんだ。ゆくさきは、練馬区、知っている...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第10話

マンホールから お話かわって、こちらは、へいの外のマンホールのそばです。そこには、ふたりのおまわりさんが、しゃがんで、見はりばんをしていました。もし、怪人がここからにげようとしたら、つかまえるためです。「おい、マンホールのふたが動いたようだ...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第9話

もうだめだ そのとき、地底の水の中では、井上君とポケット小僧が、おたがいのからだをだきあって、ブクブクと、しずみかけていました。 さっき死にものぐるいの声で、どなったので、もう、最後の力がつきてしまったのです。 手も足もしびれてしまって、も...
怪人と少年探偵

初級翻訳・怪人と少年探偵 第8話

怪人がそこからにげだすのを、ふせぐためです。玄関の戸は、なんなくひらきました。家の中はまっくらで、ガランとしていて、まるであきやのようです。みんなはスイッチをおして電燈をつけながら、へやからへやと、しらべてまわりました。しかし、どこにも人か...
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