海野 十三

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海底大陸

初級翻訳・海底大陸 第1話

大西洋上のメリー号 三千夫少年が乗り組んでいる「海の女王」と呼ばれる巨大客船、クイーン・メリー号は、いま大西洋の真ん中を航行していました。ニューヨークを出発したのが七月一日だったので、今日は三日目の七月三日にあたります。鏡のように穏やかな海...
柿色の紙風船

初級翻訳・柿色の紙風船 第7話

もちろん、たとえ彼が最後まで白状しなくても、このラジウムの持つ恐ろしいエネルギーのせいで、彼の体にいつかはその潰瘍が現れるはずだということは、最初からちゃんと計算に入っていたのだ。だが、私もくだらないことから人殺しをしてしまったものだ。今は...
柿色の紙風船

初級翻訳・柿色の紙風船 第6話

これはもしかして、尻あてじゃなくて、空気を吹き込む口紙の方と間違えたのかなと思って、今度はそっちの方を引っ張ってみた。でも、やっぱり無い。そんなはずはない!そんなはずはないんだ!なのに、どうしても見当たらないのだった。「ああーっ!」私の腰は...
柿色の紙風船

初級翻訳・柿色の紙風船 第5話

私は「うまくいったぞ!」と、心の中で踊り出したいほど大喜びし、ホッと大きなため息をもらした。こうしてラジウムは、柿色の紙風船の中に入ったまま、私の手を離れて遠くへ運ばれていったのだった。その後の話は、わざわざ語るほどのこともない。私は予定よ...
柿色の紙風船

初級翻訳・柿色の紙風船 第4話

「おい、一九九四号、起きてるか――!」看守の後ろから、スーツ姿の二人の男が入ってきました。私は、「おっ、保釈(ほしゃく)で外に出られるための使者だな」と直感しました。(おや?)私は心の中で首をかしげました。二人の客のうちの一人は、顔見知りの...
柿色の紙風船

初級翻訳・柿色の紙風船 第3話

洋服のどこかのポケットに入れておけばいいかとも思いましたが、もし五年も同じところに入れていたら、洋服の生地がボロボロになって、そのすき間からラジウムがポロリと下に落ちてしまうだろうと考えたのです。ボタンに穴をあけて、その中にラジウムをはめこ...
柿色の紙風船

初級翻訳・柿色の紙風船 第2話

お医者さんも看護師さんも、私がベッドの上にピタッとくっつけられたみたいに動かないでいるって、まったく疑っていなかった。「動かないでくださいね。ほんの少しの間ですから」お医者さんは私にそう言ったんだ。そして、看護師の方をむいて、こう言った。「...
柿色の紙風船

初級翻訳・柿色の紙風船 第1話

「あれっ、ここに寝ていた患者さんはどうしたの?」 りんごみたいに血色のいい看護師さんが、大きな声で言いました。 彼女が立っている目の前には、誰もいない、ぽっかりと空っぽのベッドがありましたね。「ねえ、あなた。知らない?」 彼女は、すぐ近くに...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第16話

それもほんのしばらくで、やがて地下戦車の入ったあとは妙な崩れ跡をのこしたきりで、戦車が今どんな活動をしているのか、さっぱり状況がわからなくなった。ただどこやらから、地下戦車のエンジンの響きが聞えるのと、立っている人々の足に、じんじんじんと、...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第15話

そして土は、戦車の側面に出るが、ここは、蛇の腹のような別のコンベヤーになっていて、どしどし土を後方へ送る」「なるほど。「ここでありますか」 工藤上等兵は、センザンコウのウロコみたいな背中のような、地下戦車の胴体を指さしました。「そのとおり。...
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