海野 十三

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未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第14話

どうだ、わしのいうことがわかるか」 加瀬谷少佐のことばには、無限の慈愛が言外にあふれていた。「は、はい」 岡部伍長は、感激のあまり、腸が千切れそうであった。感激は、岡部伍長一人のものではなかった。彼と一緒に、その地下戦車にのりこんでいた工藤...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第13話

なぜなら、この戦車には、地上を走るための車輪さえついていなかったからです。「とんでもないことになりましたね」少佐のそばで目を丸くして立っていた、萱原(かやはら)というベテランの小隊長が、少佐に向かってそうつぶやいたのでした。危険信号「何事も...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第12話

だが、その日も正午になったが、彼が睨んでいる方眼紙の上には、やはり一本の線も引かれなかった。こうした日が、三日間続いた。しかも彼は、方眼紙の上に、あいかわらず一本の線も引くことができなかった。頭をつかいすぎたことと、夜眠られないためとで、さ...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第11話

彼は、ふと、窓のそばによった。凍りついたつめたい窓硝子の向こうに、今、真赤な月がのぼりつつあった。ああ、月がのぼる。「月を見ると、思い出すなあ」 と、岡部伍長は、ふと、ひとりごとをいった。「ゴルフ場ともしらず、三十頭のもぐらを放して、もぐら...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第10話

ひろびろとして、木がなく、土がやわらかで、草がみじかいところというと……」 お百姓さんは、しばらく首をかしげていたが、やがて、とんと足をふんで、「あるよ、あるよ。この道を、むこうへ、一キロばかりいって、左を見ると丘がある。まわりには松の木が...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第9話

「あれっ?もしかして僕が来ちゃいけないんですかね?」「なんだい? 別に来ちゃいけないっていうわけじゃないがね、今日はうちには何もうるもの(廃品)はないんだよ」お百姓さんは、岡部一郎が身につけている廃品回収屋さんの腕章を見て、てっきり不要にな...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第8話

プロペラ(翼)をロータリー除雪車のように作り替えて、それから土台(台)に車輪をつけたら、ものすごく面白いものができるぞ!廃品回収の仕事でお金を稼げるうえに、こんなお宝まで手に入るなんて、なんていい商売なんだ!」   扇風戦車失敗の巻一郎は、...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第7話

朝になって、ちょうどいいころになったら、僕が起こしてあげるからね」小田さんは、一郎に早く寝るようにすすめました。一郎は急にいろいろな疲れが出てきて、まもなく、ぐっすりと眠りこみました。朝は、早く目が覚めました。一郎を起こしてくれるはずの小田...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第6話

そのうちに、壁をつたって、なんだかものすごく赤いものが、ちょろちょろと流れ落ちてきた。「おや、いやに赤いものが流れてきたぞ。このあたりは赤土の層だとは聞いているけれど、いくら赤土にしたって、少し赤すぎるんじゃないか……」 一郎がふしぎそうに...
未来の地下戦車長

初級翻訳・未来の地下戦車長 第5話

土を掘るのもいいが、地質のことを考えてみなくちゃ駄目だよ」「地質ですって」「今、掘っているのは、どういう土か、またその下には、どんな土があるかということを心得ていないと、穴は掘れないよ」 御隠居さんは、中々物知らしい。「じゃあ、教えてくださ...
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