塩原多助一代記

スポンサーリンク
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第18話

戒名は「一庵了心信士」といい、今でも八軒寺町の東陽寺というお寺に石碑が残っています。葬儀も無事に終わり、三十五日には多助がおかめ、おえい、五八を連れて養父の墓参りに行きました。その時、太左衛門は用事があって一緒ではありませんでした。お参りを...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第17話

七歳の時から育てて、路銀を使ってこんな山の中まで探しに来て、五両ばかりの端金(はしたがね)をもらって帰れるか帰れないか、考えてみな」角右衛門「帰れないならどうする。こちらから訴えて調べ直せば、五両も取れないばかりか、腰に縄がかかる。五両も出...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第16話

親が知れないからとずうずうしく娘にして居座る了見も悪い。ほかの子を一晩でも泊めれば瑕(きず)がついたと思われるでしょう。私はもう連れては帰れませんよ」角右衛門「それなら、私の方へお譲りいただけますか」お角「譲るなら譲るで、きちんとお話をつけ...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第15話

沼田の城下町に宿を取って三ヶ月の間探したが見つからなかったのも道理だ、こんな山の中にいたんだからね。あんたも罪なことをするもんだ。さっき城下町でお前と一緒に歩いているのを見かけたから尋ねてきたのさ。ここの家の若旦那が悪さをして連れ込んだのか...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第14話

話は家に帰ってからゆっくりしよう。私は沼田の下新田という田舎の出身だが、あんたの実のお母さんは、今私の家にいるんだよ」娘「なんと不思議なご縁でしょう。どうぞ、お連れくださいませ」角右衛門「実に不思議な縁だ。さあ、気にせず一緒に行こう。もうお...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第13話

五八や、五八! ここへ来い」五八「何でしょう」角右衛門「早くここへ出て来い。どこへ行った?」五八「私は『人殺し!』なんて叫び声が聞こえて、怖くて仕方がないから、あっちに下がっているんですよ」角右衛門「今この娘さんが身投げしようとして、止めて...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第12話

刺青だらけの勇ましい男が、おいおい泣きながら川崎あたりまで送られていくのを見て、朋輩(仲間)「それじゃあ、元気でいってこいよ」男「お母のことを留守中、何分頼む」などと言って泣き出したりします。遠い国へ行くのかと思えば、わずか百三十里(約五百...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第11話

お母さん、旦那様のご厚意だから頂いておきなさい」母親「面目次第もございません」と言いながら、親子は夫婦を見送って何度も頭を下げました。塩原たちも急ぎの旅ゆえ、その場を後にしました。親子は上総戸(かずさど)のところまで塩原夫婦を見送ると、雨戸...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第10話

何卒私の言うことを聞いてください、ようよう」と諭されて、おかめは「はい、はい」とばかりで泣いておりましたが、角右衛門の言葉も捨ても兼ねて、是非なく両人で沼田へ帰って参りました。さて、話は二つに分かれます。塩原角右衛門は、その前年の九月三日に...
塩原多助一代記

初級翻訳・塩原多助一代記 第9話

とんでもない間違いが起きて、まるで災難に巻き込まれたようなことがあってさ。だいぶ日数もかかってしまったから、案じているだろうと思っていたが、手紙も出せなくて……どうもすまなかった」妻は言いました。「そうでしたか。多助も『父さんが帰らない』っ...
スポンサーリンク