初級翻訳・ジェミイの冐険 第2話

ジェミイの冐険

おじょうさんはそれからも長いあいだ悲しそうにしていたが、だんだんジェミイの家の生活になれてくると、ぶたの世話をしたりにわとりのえをやったり、古い毛糸でソックスをあんだりするようになって、一年の月日がすぎた。
また萬聖節の祭日がまわってくると、ジェミイはぼうしを持って母にいった。
「母さん、ぼくはいい運をさがしに、もう一度おしろに行ってきます。」
ジェミイは去年のとおり林ごの木立のかげにたって、窓のなかの明るい燈火をながめ小人たちのさわぎをきいていると、中ではかれのうわさをして「去年はジェミイのやつがひどいことをしたね、きれいなおじょうさんをさらって行って」と一人がいっている。
すると小人の女が「だから私がしかえしをしてやったのよ。
あのむすめはつんぼのおしで何もできはしない。
私のこのコップの水を三てきだけ飮ませれば、すっかりなおるんだけど、ジェミイはそんなこと知らないんだ。」
ジェミイは心がおどるようで、内にはいって行くと、妖精たちは声をあわせて歓げいした。
「ジェミイ・フリールがきた! ようこそ、ジェミイ、よくきてくれた!」その歓げいの声がしずまると、小人の女がコップをだした。
「ジェミイ、私たちの健康を祝って、このコップから飮んでね。」
ジェミイはコップを取るがはやく入口をかけだした。
まるでむちゅうで、走って走って家にとびこむと、ろのそばにしりもちをついてしまった。
きちがいのようにいも畑をかけてくるときコップの水がこぼれてしまったけれど、まだすこし残っていて、三滴の水を大いそぎでおじょうさんに飮ませてあげると、おじょうさんはすぐに口がきけて、まずジェミイのしんせつのお礼をいうことができた。
朝になっておじょうさんは紙とペンとインキをだしてもらって、ダブリンのお父さんに手紙を書いた。
だが、その返事はこなかった。
何度も手紙をだしても返事がないのだった。
おじょうさんはダブリンまで一しょに行ってくれとジェミイにたのんだが、ジェミイはダブリンまで馬車をやとうお金がなかった。
とうとう二人はダブリンまで歩くことにして、遠い道を歩いていった。
ステーヴンスおかのお父さんの家では取次の下ぼくがでてきて「ここの家にはおじょうさんはありません。
一人いらっしたのですが、去年なくなりました」とこのおじょうさんを内に入れようとしなかった。
おじょうさんがお父さんかお母さんに会わせてくれとないてたのむので両親がでてきたけれど、
「うちのむすめはもう一年も前に死んでほうむられている。
お前はかたりだろう」とどうしても受けいれてくれない。
一年前にほうむったむすめのことを考えると、どんなによくにていても、かれらにはどうしても信じられないのだった。
「みんなが私をわすれたのね! 母さん、私のくびの『ほくろ』を見てください。
私がわかりませんか?」母はそういわれてようやく自分のむすめだとわかったけれど、おかんに入れてほうむったむすめのことがどうにもふしぎに思われた。それでジェミイは、去年のハロウィーンの夜の冒険から、おじょうさんが魔法の水たった三滴の力で元どおりに救われた話もみんなに話しました。
おじょうさんはまた、ジェミイとお母さんがどれほど親切にしてくれたかも話したので、お父さんとお母さんは「どうしたらこのご恩をお返しできるでしょう」と、心から深く感謝しました。
ジェミイが自分の家に帰ろうとすると、おじょうさんは「私もいっしょに行く」と言い出しました。
「ジェミイは妖精の手から私を救い出し、今までずっと面倒を見てくれました。こうして生きてお父さんやお母さんにまた会えたのも、すべてジェミイのおかげです。私はジェミイといっしょに帰ります」
おじょうさんがそうかたく決心していたので、それならいっそ、ジェミイをおじょうさんのむこにしようとお父さんが言い出し、ジェミイのお母さんも立派な馬車で呼び寄せて、それはそれはすばらしい結婚式をあげました。
それからというもの、ダブリンの大きなお家でみんな仲いっしょに暮らし、やがてお父さんが亡くなると、ジェミイとおじょうさんのふたりが、お父さんの財産をしっかりと引き継ぐことになったのでした。

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