授業が終わると、ちりちり髪のイリーナとターニャは連れ立って図書館へ向かった。
一方のワーニカは、とにかくお腹を満たさなければならない。
学内の食堂でキャベツのスープをすすっていると、赤いマフラーを巻いたマトリョーナがやって来た。
――ここ、空いてる?
――ああ、どうぞ。
――ねえワーニカ! 今度ひらかれる一般委員会で、マクシムのことをみんなで厳しく批判しなきゃダメよ!
あの男、こないだ行った遠足の領収書や明細を、いまだに学級の経済委員に提出していないんだから。
――ふーむ……。まあ、お前から直接注意してやれよ。
マトリョーナは一度黙り込んだが、突然、ジャガイモをほおばりながら、
――本当に、私たちの親の世代ってば無自覚なんだから!
と、うなるように言った。
今度はワーニカが黙る番だった。
――私、役所の戸籍登記所で、思い切って名前を改名するんだから!
ワーニカは、マトリョーナの真っ赤な頬っぺたと、そこにパラリとかかっている金髪を見つめた。
――マクシムには、私からもうちゃんと注意したわよ。だけど、あいつが私の言うことを聞かない理由が何だか分かる?
「だってお前はマトリョーナじゃないか」って、そんなふうに舐めてかかるのよ!
ワーニカは思わず吹き出し、だんだんと大きな口を開けてカラカラと笑った。
――ねえ、このあとどこに行くの?
マトリョーナが立ち上がりながら尋ねた。
――五時からは、ピオニェール(少年先駆兵)の小隊活動があるんだ。
ワーニカは彼女と連れ立って食堂をあとにした。
小隊の仕事は八時くらいには終わるだろう。
それから、映画でも見に行こうってターニャを誘ってみようか?
ワーニカはそんなことを考えながら、雪の積もった道をトヴェルスカヤ通りへ向かって歩いていった。
〔一九三一年四月〕
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