初級翻訳・愛ちやんの夢物語 第24話

キャロル ルイス

身長が1マイルを超える者は、法廷から立ち去るべし」
みんなが愛ちゃんの方を見ました。
「私の身長は1マイルなんてありませんよ」と愛ちゃんが言いました。
「ある」と王様。
「ほとんど2マイルはあるわ」と女王様が言い足しました。
「どっちにしても、私は出て行きません。それに」と愛ちゃんは言いました。「それは正しいルールじゃありません。たった今、思いついたことでしょう?」
「それはこの本の中で一番古いルールだ」と王様が言いました。
「それなら、一番最初に書かれているはずだわ」と愛ちゃん。
王様は顔を真っ青にして、急いでメモ帳を閉じると、震える小さな声で陪審員たちに言いました。「判決を。」

「陛下、まだ他にも証拠がございます」と白ウサギが慌てて飛び上がりました。「この文書をたった今拾ったのです」
「何が書いてあるのか?」と女王様が聞きました。
「まだ開いておりません」と白ウサギは答えました。「ですが、手紙のようです。囚人の手によるもので、誰か宛てに書かれています」
「間違いなくそうだな」と王様が言いました。「宛名が書いていないとすれば、きっと……」
「誰宛てか書いていないのか?」と陪審員の一人が言いました。
「全く書いてありません」と白ウサギは言いました。「実際、封筒の表にも何も書かれていないのです」それから文書を開くと、「これは手紙ではありません。歌の一節です」と言いました。
「それは囚人の筆跡か?」と別の陪審員が尋ねました。
「いえ、違います」と白ウサギは言いました。「実に不思議なことに」
(陪審員たちはみんな、すっかり途方に暮れてしまいました)
「それは他の誰かの筆跡を真似たに違いない」と王様が言いました。
(陪審員たちは全員、目を丸くしました)
「陛下、お願いします」と料理人が言いました。「私が書いたのではありません。その証拠に、最後には名前も何も書かれておりません」
「もし自分で署名しなかったのだとすれば」と王様が言いました。「それはなおさら悪い。お前の悪だくみに違いない。さもなければ、正直に署名しておくはずだ」
この言葉に、会場中から拍手喝采が起こりました。それはその日、王様が言った中で最も賢い言葉でした。
「それが何よりの有罪の証拠だわ、言うまでもなく」と女王様が言いました。「どのみち、首をはねて……」
「そんなものは証拠にはなりません!」と愛ちゃんが言いました。「何が書いてあるのか、さっぱり意味がわからないわ!」
「それを読み上げろ」と王様が命じました。
白ウサギは眼鏡をかけ、「陛下、どこから読み始めましょうか?」と尋ねました。
「最初から始めよ」と王様は厳格に言いました。「それから、最後まで読んだら止まれ」

法廷は水を打ったように静まり返り、白ウサギは次のような歌を読み上げました。

『いつかあそこへ行ったとき、
 私のことを話したと、
 見事な手紙を寄越したが、
 泳げないとの言い訳で。

私の行けぬと言ったのが、
 (何より嘘ではない証拠)
 それをも責めよと言うのなら、
 一体お前はどうする気?

一個やったに、また二つ、
 三つ四つ、欲には限りなく、
 残らずお前の懐へ、
 以前は私のものだけど。』こうして二人が一緒にいて、
  もしも疑いをかけられたとしても、
 お前がそばにいれば大丈夫、
  いつかは疑いも晴れるだろう。
私もお前と同じ気持ち、
 (ふいとそんな気になったのも)
 たった一人の邪魔者が、
  間に割って入ったせいさ。
親しいからといって油断するな、
  いつになっても変わりなく、
 他人に隠したこの秘密、
『お前と私の間だけ』

「それこそ大事な証拠の一つである!」王様は手をすり合わせながら、「ならば陪審員に――」
「もし誰か説明できる人がいたら、その人に十シリングあげてよ!」と愛ちゃんが言いました。(この短い間にすっかり大きくなっていたので、もう誰に遠慮することなく、堂々と口をはさめるようになっていたのです)「私は、あの歌にこれっぽっちも意味があるなんて思わないわ」

陪審員たちは全員、石板に「少女はそれに少しも意味があるとは信じない」と書きつけましたが、誰一人としてその歌の意味を説明しようとはしませんでした。
「もしそれに何の意味もないとすれば」と王様は言いました。「それは面倒くさくなくていい。何かを理解しようと悩まなくて済むからね」
「どうも解らん」と続け、膝の上に歌を広げて片目で眺めながら、「しかし、何か意味があるような気もするんだ。『――泳げないとの言い訳で――』お前は泳げないのか、え?」と王様は軍人の方を向いて尋ねました。
軍人は悲しげに首を横に振って、「私が泳げそうに見えますか?」と答えました。「トランプのカードがどうやって泳げるというのですか」
「よろしい、それなら」と王様は、しきりに口の中でその歌を繰り返していました。「『何より嘘ではない証拠』――これはもちろん陪審員のことだな。『それをも責めよと言うのなら』――これはきっと女王様のことだ。『一体お前はどうする気?』――どうする気、本当に!――『一つやったに、また二つ――』さて、これはきっと涙ながらにやったに違いない、どうだ――」
「まだ先に、『残らずお前の懐へ』という続きがありますよ」と愛ちゃんが言いました。
「それ、そこだ!」王様はテーブルの上の栗饅頭を指さして、得意げに言いました。「なんと、これほど見事な証拠があろうか。それからまた――『ふいとそんな気になったのも――』そんな気になるはずはないが、え、なったのではなかろうが?」と王様が言いました。
「決して、なったことはないわ!」と女王様が叫び、乱暴にもトカゲを目がけてインキ壺を投げつけました。
(かわいそうな小さな甚公は、もう何も書き記すことができないとわかると、石板へ書くのをやめました。ところが、その顔からインキが垂れているのを幸い、今度は一生懸命にそのインキを使って、再び書き始めました)
「どうだ、これでも言葉が出ないだろう」王様は微笑みながら法廷を見回しました。
法廷はシンと静まり返りました。
「さあ、どうだ」と王様は念を押しました。「判決は?」
「まだ、まだ!」と女王様が言いました。「宣告が先で、判決はそれから後のことだ!」
「なんですって!」愛ちゃんは声を高くして言いました。「最初に宣告をするなんて!」
「黙れ!」と女王様は顔を真っ赤にして言いました。
「黙りません!」と愛ちゃん。
「頭をはねておしまい!」と女王様が力の限り叫びました。
その場にいた誰もが、思わず縮み上がりました。
「誰がお前の言うことなんか聞くものか!」愛ちゃんは言いました。(この時までには、十分すぎるほど大きくなっていました)「お前たちはただのトランプの束じゃないか!」
その瞬間、トランプの束が空中に舞い上がり、それから愛ちゃんの上へとバサバサと降ってきました。
愛ちゃんは驚きのあまり、怒りながら叫び、それらを払いのけようとしました。すると、自分が土手の上に寝転がっていて、お姉さんの膝を枕にしていたことに気づきました。お姉さんは、愛ちゃんの顔に舞い落ちてくる木の葉を優しく払ってくれていました。
「お起き、愛ちゃん!」とお姉さんが言いました。

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