「まあ、ずいぶん長く眠っていたのね!」
「そうなの、私、とっても奇妙な夢を見ていたの!」愛ちゃんは、お姉さんに覚えている限りのことをすべて話しました。それは、みなさんがこれまで読んできたような、数々の不思議な冒険のお話でした。
愛ちゃんが語り終えると、お姉さんは愛ちゃんの頬をなでながら言いました。「まあ、本当に不思議な夢だったこと。さあ、お茶を飲みに行きましょうね。もう遅いから」
愛ちゃんは起き上がるやいなや、駆け出しました。走りながらも、さっきまでの夢がどんなに奇妙だったかを、何度も何度も考えていました。けれど、お姉さんは愛ちゃんが走り去ったあとも、頬杖をついて沈んでいく夕日を眺めていました。そして、愛らしい愛ちゃんのことや、今聞いたばかりの不思議な冒険のお話について考えているうちに、やがてお姉さん自身も、愛ちゃんが見たような夢の世界へ入り込んでいったのです。その夢の中では――
まず最初に、お姉さんは愛らしい愛ちゃんの夢を見ました。それから、自分のお膝に抱きついた小さな手や、澄んだ可愛い瞳がこちらを見つめている様子も夢に見ました。愛ちゃんが何かを話す声も聞こえてきましたし、目にかかりそうな後れ毛を払おうとして、小さな頭を振っている姿も見えました。そして、何かを一心に聞き入っている様子も浮かんできました。お姉さんの周りには、すべて愛ちゃんが夢の中で見たような、奇妙な生き物たちが命を持って動き回っていました。
長い草むらは、白兎が駆け抜けるたびにサラサラと音を立てました。野ネズミは驚いてそばの池へと飛び込み、水しぶきを上げました。お姉さんは、三月兎と仲間たちが、いつまでも終わらないお茶会でパンを分け合う時の、茶碗が鳴る音を聞きました。そして、女王様が不運な客人を死刑にせよと命じる、甲高い叫び声も聞こえてきました。もう一度、子豚が公爵夫人の膝の上でくしゃみをして、その周りで皿や小鉢が割れる音も響きました。再びグリフォンの叫び声、トカゲが鉛筆を走らせる音、押しつぶされて息を詰まらせた豚、そして不運な海亀の絶え間ないすすり泣きが、ごちゃ混ぜになって空中に浮かんでいるのが見えました。
そこで、お姉さんは目を閉じて座り込みました。そして、この世界にはどこか不思議な場所が存在することを信じようとしました。たとえ、再び目を開ければ、すべてがいつもの平凡な現実に戻ってしまうのだと分かっていても――。草むらはただ風にサラサラと鳴り、池は葦(あし)が揺れて美しい小波が立っていました。ガラガラと鳴っていた茶碗はチリンチリンという鈴の音に、女王様の金切り声は牧童の声へと変わりました。そして、赤ちゃんのくしゃみやグリフォンの鋭い鳴き声、その他の不思議な音たちは、賑やかな田畑の人々の話し声へと変わっていったのです。遠くで聞こえる家畜の鳴き声は、海亀の重苦しいすすり泣きそのものでした。
最後に、お姉さんはこれが愛ちゃんの見た夢と全く同じものだと気づきました。そして、自分が大人になっても、この幼い頃の純粋な心を少しでも持ち続けたいものだと願いました。
そうして、いつか他の小さな子供たちを集めて、この不思議な夢物語を楽しく語って聞かせることができたなら、過ぎ去ったあの夏の日の思い出が、どれほど多くの子供たちを喜ばせることだろうか――そう考えると、お姉さんはたまらなく幸せな気持ちに包まれたのでした。
愛ちゃんの夢物語 終
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