2026-07

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坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第29話

清が心配している気持ちは分からないでもないけれど、清の注文通りに手紙を書くのは、三週間も断食するより苦しい。おれは筆と巻紙を放り出して、ごろりと横になり、肘をついて庭のほうを眺めてみたけれど、やっぱり清のことが気にかかる。その時、おれはこう...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第28話

十今日は祝勝会で学校は休みだ。練兵場で式があるというので、校長(タヌキ)は生徒を引率して参列しなければならない。おれも職員の一人として、その後ろについて行くことになった。町へ出ると日の丸だらけで、目が眩むほどだ。学校の生徒は八百人もいる。体...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第27話

それで演説ができないなんて不思議だ」「なに、これは喧嘩のときに使おうと思って、用心のために取っておく言葉さ。演説となっちゃ、こうは出てこない」「そうかな、しかしペラペラ出るじゃないか。もう一遍やってみたまえ」「何遍でもやるさ、いいか。『――...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第26話

後で調べてみたら、瀬戸で作られる焼き物だから「瀬戸物」と呼ぶのだそうだ。俺は江戸っ子だから、陶器全般のことを瀬戸物というのだとばかり思っていた。床の間の真ん中には大きな掛け軸がかかっていて、俺の顔くらいの大きさの字が二十八文字も書かれている...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第25話

最近は学校へ来てその一銭五厘を見るのが苦になるくらい嫌だったんだ」と言うと、山嵐は「君はよっぽど負け惜しみの強い男だな」と言うので、「君こそよっぽど強情っぱりだ」と答えてやった。それから二人の間でこんな会話が始まった。「君は一体どこの出身だ...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第24話

俺は小倉の袴をはいて、また出かけた。大きな玄関で呼び出すと、また例の弟が出てきた。俺の顔を見て「また来たのか」という目つきをした。用事があれば二度だって三度だって来る。夜中だって叩き起こさないとは限らない。教頭のところへご機嫌伺いに来るよう...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第23話

校長も同意見らしいが、追っては君にもっと働いてもらわなくてはならなくなるかもしれないから、どうか今からそのつもりで覚悟をしておいてほしいんだ」「今より授業時間でも増えるんですか?」「いや、時間は今より減るかもしれないがね」「時間が減って、も...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第22話

男と女は、また元の通りに歩き出しました。おれには考えがあったので、急に全速力で追いかけました。先方は何の気配も感じていないのか、最初の通りゆっくりと歩いています。今では話し声まではっきりと聞こえます。土手の幅は六尺(約1.8メートル)ほどし...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第21話

すると、うらなり君が突然おれの隣から立ち上がって、そろそろと女の方へ歩き出したので、少し驚いた。マドンナじゃないか、と思った。三人は切符売り場の前で軽く挨拶を交わしている。遠いので何を話しているのかは分からない。停車場の時計を見ると、もう五...
坊つちやん

初級翻訳・坊つちやん 第20話

なるほど読みにくい。字が下手なばかりではない、ほとんどが平仮名だから、どこで切れてどこで始まるのか、句読点をつけるのにも相当骨が折れる。おれはせっかちな性分だから、こんな長くてわかりにくい手紙は、五円やるから読んでくれと頼まれても断るような...
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