2026-07

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一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第15話

そして、一際大きな句碑の前までたどり着くと、何かを待ち受けるように立ち止まりました。「奥さんですか」すると、句碑の裏から白いものが現れて、ささやくように声をかけました。その男は和服に春の外套を着て、大型の鳥打帽を深くかぶっていました。闇の中...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第14話

言うまでもなく、彼は木箱や包み紙、箱の表面に書かれた宛名の文字まで、残るところなく綿密に調べ上げました。それから、先ほどハンカチを解いて取り出した三千子の化粧品の容器類と、今手帳に写し取った指紋とを、虫眼鏡でのぞき比べてみました。「やはり、...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第13話

あの女が何かしら秘密を持っていることは確かです」明智は山野夫人のどんな微細な表情の動きも見逃すまいとするように、彼女の青ざめた顔をのぞき込んだ。そして、ごく平凡な調子で次の話題に進んでいった。「この事件には、妙な不具者が関係しているように思...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第12話

私などが見たところで、どうせよくは分かりませんから」「そうですか……ではお話ししますが、奥さん、びっくりしてはいけません。お嬢さんは何者かに殺されたのですよ。こちらにあるのは、そのご遺体の片手から取った指紋なのです」山野夫人は、ふらふらと崩...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第11話

三階には隠れていないと分かると、全員が二隊に分かれ、一隊は四階以上を、もう一隊は二階以下を探すことになりました。だが、あのように多種多様な品物を所狭しと並べた百貨店の中で、小さな人間一人を探し出すのは不可能に近い仕事でした。ほとんど夜が明け...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第10話

山野夫人をはじめ、召使たちの言葉や表情から、おぼろげな一つの判断が生まれつつあるように思われました。明智と小林は、晩餐(ばんさん)のもてなしを受けて、夜に入ってから山野家を辞しました。紋三はあれこれと言葉を尽くして明智の判断を聞こうとしまし...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第9話

「いいえ、別にそんな大きな品物など、持ち出したことはございませんわ」「ですが、お嬢さんがお屋敷にいらっしゃらないとすれば、何らかの方法で外へ運び出されたに違いありません。このピアノの様子からして、お嬢さんがご自分で外出されたとは考えられませ...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第8話

「押し入れなどは、その朝もよく調べましたのですが、別段変わったことはございませんでした」夫人は少しも手抜かりがなかったことを強調しようとしました。「ですが、幽霊でもない限り、戸締まりをした部屋から抜け出すことはできませんね」明智は壁紙に触れ...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第7話

そして、主人が休むころには、召使いたちももう寝静まっておりましたし、戸締りも完ぺきで、抜け出す隙間などどこにもなかったのです」「妙ですね。まさかお嬢さんが煙のように消えてしまったわけでもありますまい。きっとどこかに見落としがあるはずですよ」...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第6話

実は、あの三千子が家出したの」「えっ、三千子さんが! ちっとも存じませんでした。で、いつのことなんです?」「ちょうど五日になりますのよ。まるで消えてしまったようにいなくなってしまって。どう考えても家出の理由も、どこから出て行ったのかというこ...
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