2026-08

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小川 未明

初級翻訳・風と木 からすときつね 第2話

そっくりそのまま、地面の上に残っています」 きつねは、自分たちが秋から冬になるまでの間、畑の積み藁(わら)の中で眠っていたことがあり、やがて雪が降ってその藁を埋めると崖の穴に移り、翌年雪が消えたころに元の藁のあたりへ行ってみると、藁はそのま...
小川 未明

初級翻訳・風と木 からすときつね 第1話

風と木 どこまでも広い野原は、真っ白な雪におおわれていました。冷酷な風が、まるで自分の庭だとでもいうように、朝から晩まで野原の上を吹き荒れています。その冷たい風に邪魔をされて、木の枝は、少しもじっとして落ち着くことができません。何度も激しく...
大久保 ゆう

初級翻訳・風が吹いている 第1話

風が吹いている。風がうなっている。木々も激しくしなっている。わたしの心はこんなにも痛むのに、もう涙さえ流れてこない。ずっとずっと嘆き悲しんできたけれど、この悲しみに終わりは見えない。いっそ思い切り泣き叫んでみたら、少しは気持ちが楽になるのだ...
小川 未明

初級翻訳・頭をはなれた帽子 第1話

三郎は、道ばたで犬と遊んでいるとき、ふと思いついて自分のかぶっていた帽子を脱ぎ、それを犬の頭に乗せてやりました。ポチは、急に目が隠れてしまったので、びっくりしてあとずさりをしました。それに、ご主人様の大事な帽子を汚したり傷つけたりしてはいけ...
室生 犀星

初級翻訳・音楽時計 第2話

私は冷や汗をかきながら、すぐに答えました。「入れてあげるよ。お母さんにも話して、必ずそうしてあげる。僕は嘘はつかないからね」そう慌てて答えると、女の子は少し安心したのか微笑んで、「あたし大切にしていたから。この間もお母さんにお願いしたんです...
室生 犀星

初級翻訳・音楽時計 第1話

夜になると、階下から音楽時計の音が聞こえてくるようになりました。ひとつひとつの音はバラバラでちぐはぐなのですが、じっと耳を澄ませていると、不思議なことにそれらがすべてつながり合って、ひとつの歌のように聞こえてくるのです。昨日も、そして今夜も...
楠山 正雄

初級翻訳・青ひげ 第2話

ですから、表側の血を落としたかと思うと、それは裏側に、まるで染み出すように、さらに濃く浮かび上がってくるのでした。三すると、その日の夕方、青ひげがひょっこりと家に帰ってきました。まだ目的地まで行かないうちに、途中で用事が都合よく片付いたとい...
楠山 正雄

初級翻訳・青ひげ 第1話

一むかしむかし、あるところに、町にもいなかにも広い屋敷を構えた男が住んでいました。この男は、金の盆や銀のお皿を山のように持ち、部屋には豪華な飾りや美しい刺繍(ししゅう)がほどこされた椅子や机が並び、さらには総金塗りの馬車まで持っているという...
大倉 燁子

初級翻訳・青い風呂敷包 第6話

彼は眠り続けたまま、二度と目覚めることはなかったのです。これほど完璧に計画を練った彼でしたが、ただ一つ、最も大切なことを忘れていました。それは、死者の口の中に残されていた、あの小指の先のことでした。
大倉 燁子

初級翻訳・青い風呂敷包 第5話

医者たちも頭を抱えていて、家族の人たちも皆駆けつけて、病室に詰めきっているんですよ」杉村は驚いて椅子を立ち、係長に会釈して、「では、ちょっと行ってきます」と部屋を出ようとすると、出合い頭に山本桂一が顔を出しました。「川口氏はたった今、息を引...
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